クリニックの看護師のつらいところは?対処法からおすすめの転職先までご紹介
記事掲載日:2023/10/11
クリニックは夜勤がなく日曜祝日が休みのところも多いため、看護師が働きやすい職場というイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、業務量の多さや人間関係の濃さなど、クリニックならではの点で「つらい」と感じる方もいらっしゃいます。今回はそんな看護師のクリニック勤務について詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
- 看護師のクリニック勤務はつらい?
- 看護師のクリニック勤務のつらいこと
- 看護師のクリニック勤務のやりがいや魅力
- 看護師のクリニック勤務がつらいときの対処法
- 看護師が今のクリニックを辞めた方がいいケース
- クリニック以外の看護師のおすすめの転職先
- 「看護師のクリニック勤務がつらい」に関するよくある質問
- クリニックで働くのがつらいなら、転職も選択肢の1つ
看護師のクリニック勤務はつらい?
クリニックは、プライベートと仕事のバランスを取りやすい環境です。そのため、看護師が働きやすい職場というイメージが一般的になっています。しかし、実際にクリニックで働く中で、仕事を辛いと感じる人も。理由には、業務の幅が広い、業務量が多い、病院に比べて給料が低い、人間関係が難しいといった点があげられます。
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看護師のクリニック勤務のつらいこと
働きやすいというイメージがあるクリニックですが、小規模で運営するクリニックならではのデメリットもあります。ここでは、クリニック勤務のつらいことを解説します。
業務の幅が広く、量が多い
クリニックでは、担当する業務の幅が広く、量も多い傾向です。少人数で運営されるため、看護師はバイタルチェックや治療の補助だけでなく、事務作業や雑務も担当することが一般的となっています。
とくにこれまで大規模な病院で働いてきた看護師は、看護師の資格がなくてもできる仕事をしなければならないことに負担感や抵抗感を持つかもしれません。
忙しい日や時間帯の負担が大きい
クリニックは、診療日や時間帯によって忙しさに波があります。診療がはじまってすぐの時間や受付終了前は、患者さまが集中して混み合うため、とくに忙しくなる時間帯です。
さらに、最終受付時間の間際に患者さまが来院された日や、来院者が多い日は、残業が発生することもあります。体力的にも負担が大きいでしょう。
人間関係が難しい
クリニックで働く看護師にとって、人間関係のトラブルはよくある悩みです。クリニックは少人数で運営されるため、良くも悪くも人間関係が密接になります。トラブルが起きてしまった時には、仕事がしづらくなることも。
とくに、院長との関係は重要です。院長と合わないと、意見を訴え状況を変えることが難しくなるため、悩みを抱え込んでしまう場合があります。
希望の休みが取りにくい
クリニックは休診日を利用し決まった休みを確保することはできますが、自分の予定に合わせて希望の休みを取るのは難しいかもしれません。クリニックは少人数で運営されることが多いため、看護師同士で希望の休みが重なってしまうと、どうしても譲り合うことになります。
ただ、休みの取りやすさは、勤務するクリニックの体制によって異なると言えるでしょう。
大きい病院に比べて給料が低め
クリニックによって待遇は異なりますが、クリニックの看護師の給料は、大規模な病院に比べて低いことがほとんどです。クリニックには夜勤がないことが多いため、その分の給料が減ってしまうことが理由の一つと言えるでしょう。
また、クリニックによっては、業務内容が給料に見合わないと感じる看護師もいるようです。
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看護師としてのスキルアップが難しい
クリニックの看護師は、急性期病棟などのような命に関わる業務がほとんどありません。また、最新の医療技術に触れる機会や研修が少ないため、スキルアップが難しくなりやすいと言えるでしょう。
看護師としての成長を求める方にとって、クリニック勤務は物足りないと感じられるかもしれません。
教育体制が不十分
人手が足りないクリニックでは、教育体制が十分に整っていないことがあります。
また、看護技術や物品の使い方に独自のルールを設けているクリニックも。そのため、若手の看護師や、大きい病院から転職した看護師はギャップを感じやすいかもしれません。
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看護師のクリニック勤務のやりがいや魅力
クリニックは看護師に人気の勤務先です。ここでは、クリニック勤務の魅力とやりがいについて詳しく解説します。
仕事とプライベートの両立がしやすい
クリニックは休診日がきちんと決まっているため、想定外の出勤を求められることがほぼありません。年末年始やお盆も休みになることが多いため、家族の休みに合わせて連休を取りやすいでしょう。
また、クリニックは数が多く自宅の近くで働くこともできるため、子育てや介護との両立がしやすいと言えます。
夜勤がない
クリニックは日勤がメインのため、夜勤がない職場がほとんどです。夜勤は体力的にも精神的にも負担が大きい勤務。夜勤が得意でない看護師にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
夜は自宅で過ごせるため、子育て中や介護中の看護師も働きやすい環境です。
地域の医療を支えることができる
クリニックは、地域に密着した医療を提供する医療機関です。地域の方々の健康を守り、日常生活を支える役割を果たします。
地域の患者さまと信頼関係を築きながら治療のサポートを行うことで、地域医療の一端を担うやりがいを感じることができるでしょう。
仕事に対するプレッシャーが少なめ
クリニックを受診する患者さまは、重症度や緊急度が低い場合がほとんどです。そのため、難しい処置や、患者さまの急変に対応するケースも少なめ。
大きな病院と比べると、仕事に対するプレッシャーは小さいといえるでしょう。
看護師のクリニック勤務がつらいときの対処法
つらいときには「辞める」という選択肢を考えてしまいがちですが、クリニックはメリットもたくさんある職場です。焦って退職を考えるのではなく、まずは自分にできる対処法を試してみましょう。
業務の無駄を削る
クリニックの看護師は、業務の幅が広くやるべきことがたくさんあります。効率的に業務を遂行するには、やるべきことを整理し無駄な部分を洗い出すことが重要です。
患者さまが少ない時間に処置や診察の準備をするなど、あらかじめ業務の流れを組み立てておくのもよいでしょう。時間の余裕ができれば、精神的な余裕も生まれます。
対話の機会を増やす
クリニックでの人間関係が難しいと感じるときは、対話の機会を増やすことを意識してみましょう。苦手だと感じる人でも、自分から積極的にコミュニケーションをとることで互いの理解を深めるきっかけになります。
また、対話の機会が増えることで、業務をスムーズに進めることにもつながります。まずは挨拶から始めて、なるべく明るく接することが人間関係を良好に保つコツです。
周囲の人に相談する
クリニックでの勤務がつらいと感じたら、まずは周囲の人に相談してみましょう。院長や他のスタッフに相談できれば、業務の見直しや働き方の調整をしてくれるかもしれません。また、院長との間に問題がある場合は、先輩の看護師に相談することで院長に掛け合ってくれ、解決につながる場合もあります。
職場の人に相談しにくい場合は、家族や友人に気持ちを打ち明けてみるのも良いでしょう。話すだけで心が楽になることもあります。
別の職場に転職する
クリニック勤務でのつらさがどうしても改善されない場合、転職も選択肢の1つです。自分の働き方や価値観に合う職場で働くことは、自己成長や人生の充実にもつながります。
看護師としてより活躍するために、自分が納得できる転職先を探してみましょう。
看護師が今のクリニックを辞めた方がいいケース
自分でできる対処法をしてみても問題が解決しない場合は、今の職場を辞めることを視野に入れても良いでしょう。以下、今の職場を辞めた方が良いケースを解説します。
心身の不調が続いている場合や職場環境が改善されない場合は、退職するのがおすすめです。
無理して仕事を続けてしまうと、身体的、精神的な不調が悪化し、のちに仕事をすること自体が困難になってしまうケースもあります。自分の健康を第一に考え、行動することが重要です。
また、自分のやりたい働き方ができていない場合は、改めて自分のやりたいことを明確にしましょう。自分の求める働き方やキャリアを軸に、自分に合った転職先を探すことが大切です。
クリニック以外の看護師のおすすめの転職先
クリニック以外のおすすめ転職先を、希望の働き方別でご紹介します。
それぞれのメリット・デメリットも併せて、転職先選びの参考にしてみてください。
看護師としてスキルアップしたい方におすすめ
病院
看護師としてのスキルアップを望む方には、幅広い経験が積める大学病院や一般病院がおすすめです。中でも急性期病棟では、急変対応や手術前後の看護といった、クリニックでは経験できない業務もできるため、看護師として大きなスキルアップになるでしょう。
ただし、診療科目によってはかなり忙しく残業が多いケースがあります。夜勤もあるため、クリニックよりは身体的にも精神的にもハードな勤務と感じるかもしれません。
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医療行為のプレッシャーを低減させたい方におすすめ
介護施設
介護施設での看護師の仕事は、高齢者の健康管理や生活支援が中心です。病院勤務に比べて忙しくなく、体力的な負担も少ないため、ブランクがある方にもおすすめの職場です。
介護施設では、他の職種と連携が必要な場面が多く、コミュニケーション能力が求められます。また、施設のタイプによっては、夜勤が必要となることもありますので事前に確認が必要です。
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保育園
保育園で働く看護師は、子供の健康管理が主な仕事です。園児の体調管理や応急措置、アレルギー対応などを行います。夜勤はなく、残業も少なめです。ただ、保育補助の役割も担うため体力面での負担は大きいと言えるでしょう。
医療行為を行うことがないためスキルアップを望む看護師には向きませんが、子どもが好きな方におすすめの転職先です。
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仕事とプライベートを両立させたい方におすすめ
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでの看護師の仕事は、在宅療養者の医療処置や健康状態のチェックです。一人で訪問することが多く、人間関係のスキルや経験が求められるため、看護師の知識と能力が存分に活かせる職場です。
訪問看護では夜勤はありませんが、オンコールがある場合があります。ご利用者さまの急変時には、勤務時間外等での対応が必要です。
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訪問診療
訪問診療における看護師の主な役割は、診療の補助です。医師と患者さまの自宅や高齢者施設などに定期的に訪問して、健康チェックや投薬などを行います。訪問看護との違いは、医師と看護師のペアで訪問すること。訪問看護よりも、より医療的な知識を身につけたい人におすすめの転職先です。
また、訪問診療はオンコール対応が必要になる場合もあります。
「看護師のクリニック勤務がつらい」に関するよくある質問
ここでは、クリニック勤務がつらいと感じている看護師のよくある質問に回答します。
Q. クリニックの看護師が忙しいのはどんなとき?
連休明けは、とくに患者さまが集中する場合が多いです。駅からのアクセスが良い場所やオフィス街のクリニックは、仕事帰りの時間帯に混雑する傾向にあります。また、近くに他のクリニックが少ないと、時間帯や曜日に関わらず忙しい傾向です。
Q. クリニックの看護師に向いている人は?
クリニックは少人数での運営が多く、看護師1人あたりの業務範囲が広いのが特徴です。そのため、看護師には常に物事の優先度を考えて効率的に動く力が求められます。看護業務以外の事務作業なども行うため、さまざまな業務を経験したい人にも向いています。
Q. クリニックの退職を伝えるのは何カ月前?
法律上は14日前までに意思を示せば問題ないとされますが、通常は退職希望日の1カ月前頃に申し出るのが一般的です。しかし、就業規則によっては「○カ月前までに」と明記されていることもあるため、必ず確認しましょう。看護師は慢性的な人材不足であるため、数カ月前から申し出るように決められているケースもあります。
Q. 看護師の退職の切り出し方は?
退職の意向は、まずは直属の上司に伝えます。上司の忙しくないタイミングで、口頭で伝えるのがベストです。退職の意思が固いのなら、相談するように話すのではなく、強い気持ちで意思表示するように話すことが成功のカギです。
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クリニックで働くのがつらいなら、転職も選択肢の1つ
クリニックは働きやすいイメージが強く看護師に人気の職場ですが、つらいと感じることもあります。とくに、クリニックは少人数で運営されているという特性から、看護師の業務の幅が広く人間関係が密になりやすい傾向です。看護師の資格がなくてもできる業務をやらなければならないことに負担を感じていたり、他の看護師や院長との相性が合わないと悩んだりする看護師も少なくありません。
クリニック勤務がつらいと感じたら、まずは今の職場でできる対処方法を実践してみましょう。それでも問題が解決せず、心身の不調を伴っている場合や職場の改善が見込めない場合は、転職も選択肢の一つです。
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