看護師の給料は割に合わないって本当?不満を感じる理由や収入アップ&転職の秘訣
記事掲載日:2025/03/14
- 看護師の給料が割に合わないって本当?現状と他職種との比較
- 看護師が給料を「割に合わない」と思う8つの理由
- 看護師の給料を上げるための4つの方法
- 看護師の給料は割に合わないと思ったら...好条件で転職するコツ
- 看護師の給料が割に合わないに関するよくある質問
- 「割に合わない」と感じたら、転職も視野に入れてみましょう
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看護師の給料が割に合わないって本当?現状と他職種との比較

人によっては「割に合わない」と感じることもあります。
看護師の給料は、比較的安定しているといわれることがあります。しかし、職場の基本給や手当の実態、仕事量や仕事内容の負担、人間関係の問題など、さまざまな理由によって「給料が割に合わない」と感じてしまうケースもあります。
以下で、看護師と全職種、さらに他の医療系職種との給料を比較して「割に合わない」と感じる原因を探ってみましょう。
【比較】看護師と他職種の平均給料
職種 | 平均年収 | 平均月収 |
---|---|---|
看護師 | 約508万円 | 352,100円 |
全職種 | 約506万円 | 346,700円 |
保健師 | 約451万円 | 312,900円 |
助産師 | 約566万円 | 395,800円 |
准看護師 | 約407万円 | 286,800円 |
診療放射線技師 | 約536万円 | 367,400円 |
臨床検査技師 | 約508万円 | 351,400円 |
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士 | 約432万円 | 300,900円 |
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
看護師の年収は働く地域や職場によって差がありますが、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は約508万円で、平均月収は約35.2万円です。
それに対し、全職種の平均年収は約506万円、平均月収は約34.7万円で、看護師と全職種の給料を比べると看護師の方がわずかに高い結果となっています。
また、医療系の他職種と比較した場合、最も年収が高いのは助産師の約566万円で、次いで診療放射線技師の約536万円、その次が看護師で医療系職種の中では3番目に年収が高いです。助産師との年収差は約60万円、最下位の准看護師との年収差は約100万円と、同じ医療系職種内でも差があります。
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看護師が給料を「割に合わない」と思う8つの理由
看護師が給料を「割に合わない」と感じてしまうのには、上記のようなさまざまな原因があります。日々忙しく働いている看護師さんなら共感できるものがあるのではないでしょうか。
命を預かる責任が重い仕事だから
看護師の仕事は、患者さまの命を預かるという非常に重い責任を背負っています。わずかなミスが命の危険につながるうえ、容態が急変した場合には迅速な対応が必要です。
常に、高い集中力と判断力を求められるため、精神的な負担は少なくありません。また、医療事故の責任を問われることもあります。このような理由から、給料を「割に合わない」と感じてしまうこともあるでしょう。
体力重視の仕事が多いから
看護師の仕事は、一般の人が考えているよりも体力を必要とするものが多いです。患者さまの移乗・移動や体位変換、寝衣交換、清潔介助など、日常的に体を動かす業務がとても多いことに加え、業務を迅速に行う必要があるため、常に動き回る必要があります。
忙しい職場では仕事の合間に座る時間もなく、十分な休憩が取れない場合、疲労が蓄積してしまうでしょう。
残業や夜勤でプライベートとのバランスが取りにくいから
看護師の仕事は、残業や夜勤が多いため生活リズムが不規則になりやすいです。手当はつきますが、生活リズムの乱れから肉体的・精神的不調につながりやすく、その負担は大きいでしょう。
また、夜勤や残業、研修などで自身のプライベートの時間が制限されやすいと感じることも。そのため、「健康やプライベートを犠牲にしてこの給料は割に合わない」と感じる人もいます。
昇給が少ない傾向にあるから
経験年数 | 所定内給与額(1カ月あたり) |
---|---|
0年 | 約260,600円 |
1〜4年 | 約281,600円 |
5〜9年 | 約300,300円 |
10〜14年 | 約313,900円 |
15年以上 | 約348,600円 |
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
看護師は、経験年数が上がるごとに一定の昇給は見込めます。しかし、時間外勤務手当などを差し引いた1カ月あたりの給与額を比べてみると、経験年数に応じた昇給幅はそれほど大きくありません。
役職の数も少ないため、役職手当がつかず大幅な昇給が実現しにくいです。一般企業であれば経験年数が増えると管理職に就き、大幅に昇給をできるケースが多くあります。それに比べると「割に合わない」と感じる人もいるでしょう。
仕事量が多く時間に追われやすいから

看護師の仕事は、常に迅速な対応が求められるうえ、業務量が多いことがほとんどです。
患者さまのケア、看護記録や書類の作成、ご家族の対応、カンファレンスと多数の仕事があり、さらに緊急入院の対応に追われることもしばしば。
また、病院勤務の場合は委員会や看護研究などもこなさなければならず、常に時間的余裕がない状態です。クリニックなど病院以外で働く場合も、少ない人数で看護業務を対応する必要があり、1人あたりが担う業務の幅が広い傾向にあります。これらの理由から、「仕事量が給料に釣り合っていない」と感じる人は多いことでしょう。
時間外勤務手当がつかない場合もあるから
残業代の請求は労働基準法で定められている労働者の権利です。しかし、看護師の実情として、残業をしても時間外手当がつかないことがあります。時間外労働がつくかどうかは、病院やクリニックごとに独自のルールがあるケースがほとんどです。
また、「残業代を申請できても上司からよい顔をされない」のような対人関係の悩みもあり、「申請できない残業代を考えると給料が割に合わない」と考える人もいます。
委員会や看護研究への参加で休日出勤も多いから
看護師は病棟業務以外に委員会活動や看護研究への参加を求められることがあります。病棟看護師はシフト制で働いているため、休日に活動日があたることもあるでしょう。
このような場合、休日出勤として取り扱われず、結果的に休日を返上して対応することが多いです。結果的に休日が減り、「休日が少ないのに給料が割に合わない」と考える人もいます。
人間関係が難しいから
看護師の職場では、患者さまやご家族だけでなく、医師や他の同僚看護師、コメディカルなどたくさんの人と関わる必要があります。それぞれの立場や考え方の違いから、人間関係がこじれることもあることでしょう。
看護師の仕事はチームで連携して働く必要があるため、人間関係のストレスは仕事の満足度に直結します。ストレスが大きいあまり「この給料では割に合わない」と感じる人もいるようです。
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看護師の給料を上げるための4つの方法
給料を上げる方法 |
始めてから給料が 上がるまでの目安期間 |
---|---|
資格取得や管理職に就くなどでキャリアアップを目指す | 10年以上 |
夜勤を多く担当する | 1カ月後~ |
副業やダブルワークに取り組む | 1週間~1カ月程度 |
より好条件の職場への転職を考える | 3カ月程度 |
看護師の給料を、大変さに見合ったものにするためには上記のような方法がおすすめです。給料が上がるまでの期間はさまざまですが、表に書かれた目安を参考にしながら、取り組みやすいものから取り組んでみるのもよいでしょう。
資格取得や管理職に就くなどでキャリアアップを目指す
看護師の給料を上げる方法の1つに、資格取得や管理職へのキャリアアップがあります。
上位資格の取得や管理職を目指すには、一定の経験年数が必要になります。
とくに、専門看護師の場合には大学院の修了も必要となっており、努力だけでなく時間とお金が必要です。将来のキャリアプランを見据えつつ、着実にキャリアアップや収入アップを目指したい人にはおすすめです。
【これから資格取得をしたい看護師におすすめの資格一覧】
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夜勤を多く担当する
1か月あたりの夜勤回数を多く担当することで夜勤手当が増え、給料の総支給額を大きくできます。夜勤を増やすのは体力的な負担が大きいですが、短期間で収入を増やせるメリットもあります。
ただし、職場によっては夜勤回数に制限がある場合もあり、夜勤をすることによる心身に対する影響は軽視しがたいものです。体調管理には十分注意しましょう。
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副業・ダブルワークに取り組む
看護師以外の働き方に興味がある場合、副業やダブルワークをしてみるのもおすすめです。
ただし、公立病院の場合など、病院によっては副業が禁止されているため、事前に職場に確認しましょう。
具体的なおすすめの副業として、夜勤や健診、イベント・ツアーナースなど単発のバイトがあります。興味のある分野の副業やダブルワークだと、楽しく続けやすいでしょう。
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看護師でも副業できる?注意点やおすすめの副業をご紹介
より好条件の職場への転職を考える
看護師として働く中で身に着けたスキルは、病院以外でも活かせます。看護師を求めている職場はさまざまなので、よりよい条件の職場へ転職するのもひとつの方法です。
募集は訪問看護事業所や介護施設、企業の医務室、イベントナースなど多岐にわたります。
現在の職場で「割に合わない」と考えている内容を洗い出し、転職先に希望する条件を明確にしておくと成功できるでしょう。
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訪問看護師の仕事内容と役割は?やりがい・給料・スキル・将来性を一挙解説
介護施設で働く看護師の仕事内容とは?気になる給料なども紹介!
看護師の給料は割に合わないと思ったら...好条件で転職するコツ

確認したい項目 | 確認するポイント |
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給料 |
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待遇 |
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転職サポート |
|
職場の給料が割に合わないと考える方が転職先を探す際には、基本給の金額だけでなく、各種手当や賞与、昇給、その他待遇についてもよく確認しましょう。自分で細かく確認できるか不安という方は、転職サポートサービスを活用するのも1つの方法です。
転職サポートサービスにもさまざまなものがありますが、自分との相性やサポート内容をよく確認して選びましょう。とくに、看護師の求人に特化したサービスを利用すると、求人情報が豊富に揃えられているため、効率よく希望の条件に合う求人を見つけやすいでしょう。
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看護師の給料が割に合わないに関するよくある質問
ここでは、看護師の給料が「割に合わない」と感じている看護師さんからよく聞かれる質問を以下にまとめています。
Q.看護師の給料は夜勤1回あたりどのくらいアップする?
看護師の夜勤には夜勤手当が付くことがほとんどです。「2023年病院看護実態調査報告書」によると1回あたりの平均夜勤手当額は3交替制深夜勤で5,199円、交替制準夜勤で4,234円、2交替制夜勤で11,368円となっています。
ただし、夜勤手当の金額は法律で決まっておらず、職場ごとに異なっているため確認しましょう。
Q.看護師の給料は職場によってどのくらい変わる?
看護師の給料は職場や地域による差が大きく、たとえば都道府県による平均年収の差は、最も高い地域と低い地域では約150万円になります。また、職場の規模の違いでも平均年収には最大で100万円ほどの差があります。
このことから、元々どのような給与水準の職場に勤めていたかにもよりますが、職場の条件を大きく変えて転職することで大幅なアップの可能性があるでしょう。
Q.看護師の給料は管理職になるとどのくらいアップする?
管理職になると支給される役職手当は、職場にもよりますが、ひと月あたり看護主任では1~2万円、副師長で3~4万円、看護師長で4~5万円程度が相場です。看護部長クラスになると8万円ほど相場のようですが、職場によって差があることを考慮しておきましょう。
Q.病院で働く看護師の給料はクリニックの看護師よりも高い?
クリニックと病院に勤務する際の給料の差は職場にもよりますが、おおむね夜勤手当の差と考えてよいでしょう。
ただし、病院勤務の方がクリニックよりも福利厚生が充実している場合がほとんどです。単純に給与額だけで比較できないことも考慮して勤務先を検討しましょう。
Q.保育園で働く看護師の給料は他の看護師と比べて安い?
保育園の看護師もクリニック同様、夜勤がない分病院に勤務する看護師と比べ給料は安いです。保育園看護師は医療行為をほとんど行うことがない点も給料に反映されていると考えられます。保育園看護師は常勤だけでなく非常勤の募集も多く、非常勤の場合は常勤よりもさらに給料が低くなります。
Q.「割に合わない」と感じたら、転職も視野に入れてみましょう
看護師の仕事は責任が重く、業務量も多いため、職場の状況によっては「割に合わない」と感じる人もいます。今の給料に不満を感じたら、給料アップの方法を試してみましょう。今の職場でキャリアアップする方法もありますが、そもそもの給料水準が低い職場の場合は転職を検討してみるのも1つの手です。仕事内容と給料のバランスが取れていると感じられれば、よりやりがいを持って働けるでしょう。
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「なぜ転職するのか」の理由を
明確にするところから一緒に考えます。
看護師の転職に悩んだら
まずはナースステップにご相談ください!