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健診センター勤務の看護師の仕事内容は?メリット・やりがいや転職のコツなど

記事掲載日:2021/10/14

健診センター勤務の看護師の仕事内容は?メリット・やりがいや転職のコツなど

看護師の勤務先として人気の健診センターですが、具体的な仕事内容をご存じでしょうか。今回は、健診センター勤務の看護師の仕事内容やその特徴をご紹介。健診センター勤務が向いている看護師の特徴や働くうえで必要なスキル、転職成功のポイントも解説しますので、健診センターを転職先として検討中の方はぜひ参考にしてください。

健診センターとは?

健診センターとは?

健診センターは、あらゆる疾患の予防と発見を目的として、健康診断を行う場所で、検査対象者は病気に苦しんでいる方ではなく、検査の時点では健常者が中心です。患者さまというより、「お客さま」色が濃いでしょう。

健診センターにおいて、看護師が担う仕事内容と役割は下記の通りです。

健診センターと検診センターの違い

検診センターは、がんをはじめとした特定疾患の早期発見を目的に、検査を行う場所です。具体的には、がん検診(胃がん検診・肺がん検診・大腸がん検診・乳がん検診など)や、人間ドックなどの専門的な検査を行います。

ただし、一般的には健診センターでもがん検診などを行っており、看護師の業務はどちらの施設でもほぼ共通しています。

健診センターにおける看護師の主な仕事内容・役割

  • 問診
  • 身長・体重・血圧・聴力・視力等の測定
  • 採血
  • 医師の診察補助
  • 検査の補助・介助(レントゲン撮影、エコー介助、PET検査介助、内視鏡介助など)
  • 健診結果の確認・書類作成
  • 精密検査の手配・予約
  • 検査の予約対応・電話対応
  • 患者さまのご案内
  • 巡回健診
    など
  • 健診センターにおける看護師の仕事内容は、主に問診や身体測定、採血、医師の診察補助、検査の介助などです。中でも、採血は一日に100人以上対応することもあり、健診センターの看護師の重要な業務といえます。

    また、健診センター内での健診だけでなく、学校や企業へ出向く巡回健診も行うため、行き先によっては朝早くから出発する必要があるでしょう。さらに、看護業務だけでなく書類作成や予約対応、電話対応など事務作業も発生します。

    【健診センター勤務の看護師】1日のスケジュール例

    7:30 始業
    検査等の準備・情報収集など
    8:00 健診開始
    12:00 休憩
    13:00 午後の健診開始
    15:00 データ入力や書類作成など
    16:30 終業

    上記の表は、健診センターにおける看護師の一日のスケジュール例です。

    健診は朝早くから始まるため出勤時間は早めで、午前中に採血などの忙しい業務が集中する傾向にあります。そのため終業時間は早めのことが多いです。

    巡回健診がある場合は、さらに朝早い時間から出発する可能性もあります。

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    健診センターの看護師として働くメリット・やりがい

    健診センターの看護師として働くメリット・やりがい

  • 夜勤・残業が少なく、仕事と生活を両立しやすい
  • 精神的・身体的負担が少ない
  • アルバイト(単発)での勤務もできる
  • 日本看護協会の『2022年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」結果』によると、健診センター・労働衛生機関の求人倍率は0.24倍となっており、およそ4人に1人しか受からない計算に。なぜ就職難易度が高いのかというと、健診センターで働くメリットが絶大だからです。

    ▼参考資料はこちら
    参考:"2022年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」 結果".公益社団法人 日本看護協会.
    https://www.nurse.or.jp/home/assets/20231114_nl01.pdf,(参照2024-1-28)

    夜勤・残業が少なく、仕事と生活を両立しやすい

    健診センターの看護師には夜勤がありません。健診は予約制で受付終了時間が厳密に決まっているため、残業もほとんどなく働けます。

    また、基本的にはカレンダー通りに休日の取得が可能です。家族や友人との時間も調整しやすく、仕事とプライベートを両立できます。

    精神的・身体的負担が少ない

    前述の通り、健診センターの受診者は病気に苦しむ患者さまではなく、検査時点では健康な方が中心です。病棟のように命にかかわる病態の患者さまや、急患の対応をするケースもありません。よって、精神的負担になる緊張感は少なく、安定して働けます。

    また、健診センターの看護師は、一般的な看護師が避けては通れない患者さまの介助(=の身体労働)とはほぼ無縁です。そのため、体力に自信がない方でも安心して業務を行えます。

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    アルバイト(単発)での勤務もできる

    健診センターの看護師求人は、アルバイトやパートの勤務形態も多いです。とくに健診のピーク時期である春(4~5月)や秋(10~11月)は、単発のアルバイト募集が散見されます。

    なお、アルバイトでも現場での業務内容は、採血や各種検査の介助など正社員と変わりません。即戦力が求められるため、アルバイトであっても決してミスは許されないと肝に命じておきましょう。

    健診センターの看護師として働くデメリット・注意点

  • 高度な医療行為の対応や看護技術を磨く機会が少ない
  • 患者さまと時間をかけて関わる機会が少ない
  • 看護師以外の業務を対応することもある
  • 健診センターは、看護師にとって働きやすく人気の職場ですが、デメリットもあります。

    健診センターでの看護師の業務は、採血や血圧測定などがメインのため、高度な医療行為の対応や看護技術を磨く機会は少ないです。自ら学び続ける姿勢がなければ、看護師としての専門的なスキルは身につかないでしょう。

    また、患者さまと時間をかけて関わる機会が少ない分、やりがいを感じにくいかもしれません。さらに、施設によっては事務作業や雑務など看護師以外の業務を担当する必要もあります。看護師の知識やスキルを高めたい場合、納得がいかないと感じる人もいるでしょう。

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    健診センター勤務が向いている看護師の特徴

    健診センター勤務が向いている看護師の特徴

  • ルーティン作業が好きな人
  • 採血・血圧測定が得意な人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • 健診センターで看護師が対応する受診者は主に健康な人のため、病院やクリニックの「患者さま」とはまったく性質が異なり、看護師の向き・不向きにも独特の特徴があります。

    ルーティン作業が好きな人

    健診センターでの看護師の仕事は、採血や検査介助などがメインです。病棟やクリニックで働く看護師の業務と比較すると、「さまざまな業務に携わらなくてよい」特徴があります。

    その分業務に集中できますし、ケアレスミスの回避にもつながるでしょう。そのため、コツコツと仕事を進めるルーティンワークが好きな人に適した職場のひとつといえます。

    採血・血圧測定が得意な人

    健診センター勤務の看護師の代表的な業務は、採血や血圧測定です。とくに忙しいときは、1人で100人以上の採血を担当する場合もあります。採血や血圧測定に慣れている人なら、焦らず確実に数をこなせるでしょう。

    コミュニケーション能力が高い人

    健診センターで働く看護師は、病棟や外来勤務などと比べ、一人ひとりの患者さまと関わる時間が短いです。短い関わりの中で、受診者に安心して検査を受けてもらえるようサポートをするなど、親切かつ好印象な対応が求められます。

    短時間で受診者の様子を素早く察知できる人、限られた時間で適切な関わり方ができるコミュニケーション能力が高い人が向いています。

    【看護師向け】健診センターで働く際に必要なスキル・資格

    健診センターで働く際は、看護師資格以外で必須の資格はありません。

    ただし、現場で活躍する看護師になるためには、下記のようなスキル・能力がある人材が求められます。

    【健診センターで働く際に求められるスキル】

  • 採血をミスなく円滑にこなすスキル
  • 各種検査・健診の介助スキル
  • 予防医学や保健指導に関する知識
  • マナー・接遇スキル
  • コミュニケーションスキル
  • 健診センターの勤務でもっとも重要なのは、採血をミスなく円滑にこなすスキルです。採血が速いと受診者を待たせず、スムーズに健診を回せるため、重宝されるでしょう。

    また、介助のスキルもスムーズな健診の流れには欠かせません。マナーや接遇、コミュニケーションスキルが高いと、受診者からの印象がよいので喜ばれます。

    さらに、予防医学や保健指導に関する知識が高ければ、受診者から質問や相談があったときに役に立つでしょう。

    健診センターの看護師へ転職を成功させるポイント

    健診センターの看護師へ転職を成功させるポイント

    健診センターは看護師にとって人気で、とても転職難易度が高い職場。転職成功を勝ち取るためには、健診センターで必要不可欠である血圧・採血をミスなく、数多くこなせる即戦力が必要です。少なくとも病院での臨床実務経験(3年以上)を通して、現場力を培っておきましょう。

    単発のアルバイト経験も、流れを知っていると評価されるので転職時には有利です。

    転職準備に余裕のない方は、転職のプロである転職エージェントに登録し、転職のサポートを受けることもおすすめです。医療に特化したエージェントであれば、なお心強いでしょう。

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    健診センターの仕事内容に関するQ&A

    健診センターの看護師の仕事内容について、よく質問される内容とその回答を下記にまとめています。健診センターへの転職をお考えの方は参考にしてみてください。

    Q.病院併設の健診センターと独立型の健診センターで仕事内容は違う?

    A.どちらの施設でも仕事内容は基本的に同じです。

    病院併設と独立型どちらの健診センターも、看護師が行う仕事内容に大きな違いはありません。

    病院併設の健診センターの方が、臨床経験豊富なスタッフが多い傾向にあり、万が一検査で異常があった際、治療を行うまでの対応がスムーズに進みやすい特徴があります。

    独立型の健診センターの場合、検査に特化している特徴から効率がよく、多くの検査を時間通りに進行しやすい傾向です。どちらの健診センターであっても巡回型の健診を行っている場合があります。

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    Q.健診センターにおける他職種の仕事内容は?

    A.職種によって、求められる役割や仕事内容が異なります。

    職種 主な仕事内容・役割
    医師 受診者の問診、健診結果の説明など
    保健師 受診者に対する保健指導など
    臨床検査技師 尿や便などの検体検査、心電図、視力検査、聴力検査、超音波検査、肺機能検査など
    放射線技師 胸部X線検査、胃部透視検査、マンモグラフィ検査など
    医療事務・受付 受診者受付、説明、電話対応、データ入力、書類作成など

    健診センターでは医師や看護師だけでなく、保健師や臨床検査技師、放射線技師、医療事務・受付など他職種が勤務しています。それぞれ役割が異なっており、スムーズに健診を回すために連携を取りながら仕事を進める必要があります。

    お互いの役割をしっかり理解し、その中で看護師が求められる業務をこなしましょう。

    健診センターの仕事内容を理解し、転職活動に活かそう

    健診センターにおける看護師の仕事内容は、主に問診や身長・体重等の測定、採血などです。病棟で働く看護師とは、仕事内容が大きく異なっています。スムーズに健診を回すため、看護師には素早く正確な採血や受診者の不安を和らげるコミュニケーション能力、接遇のマナーなどが求められます。

    人によって向き不向きがありますが、向いている人にとっては働きやすい職場です。健診センターの看護師の仕事内容や求められるスキルを理解し、転職活動に活かしましょう。

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