アートメイクは資格が必要?仕事内容や働く上でのメリット・注意点・お給料面などを解説
記事掲載日:2021/10/06
看護師の仕事で人気が高い美容看護師ですが、その中で最も注目を集めているのがアートメイク看護師です。
この記事では、アートメイク看護師の仕事内容や、働くメリット、注意点などを解説するとともに、アートメイク看護師に転職するためのノウハウを解説していきます。看護師資格を活かしながら、唯一無二のアーティストとして活躍できるチャンスを掴み取りましょう。
- アートメイク看護師の仕事内容や役割
- アートメイク看護師になるために資格は必要?
- アートメイク看護師として必要なスキル
- アートメイク看護師として働く上でのメリット
- アートメイク看護師として働く際の注意点
- アートメイク看護師の転職難易度は?
- まとめ
アートメイク看護師の仕事内容や役割
アートメイクの施術部位として圧倒的に人気なのは、眉毛です。次いでアイライン、唇となっています。施術の内容は部位によって異なりますが、アートメイク看護師が担う業務は共通しています。
お客さまのカウンセリング
専属カウンセラーが在籍している場合もございますが、基本的にお客さまのカウンセリングを行い、ポートフォリオを元に希望のデザインをヒアリングします。
プランが決定した後には、注意事項(持続期間、避けた方が良いこと)などの説明をします。
デザインの考案
お客さまの希望を取り入れながら、骨格や表情の癖、毛並み、雰囲気、全体のバランスなどにも配慮した上でデザインを考案します(眉毛の場合)。デザイン決定後は、肌に色素を乗せてデッサンをし、カラーを決めます。時にデザインについて、アートメイク看護師視点でのアドバイスをすることがあります。
アートメイク施術
決定したデザイン通り、針で色素を入れていきます。眉の場合、初回における一般的な施術時間は2時間30分ほどです。アートメイクが定着するには個人差があり、通常一人のお客さまに2~3回の施術を繰り返し行います。
施術後のアフターケア
アートメイクの施術後には、アフターケアとして施術箇所に塗る軟膏をお客さまへお渡しします。他に、自宅でのメンテナンス方法をアドバイスしたり、注意点(ダウンタイム期間など)の説明をしたりと、アフターケアの案内も多岐に渡ります。
万が一、肌トラブルが生じた際にはその対応も行います。
アートメイク看護師になるために資格は必要?
アートメイクは医療行為のため、医師免許がある医師しか施術ができません。ただし、医師が常駐している医療機関(病院やクリニック)であれば、医師以外に看護師も施術を行うことができます(正看護師免許/准看護師免許)。
これは、医師法第17条に基づくもので、同法では、医師でなければ医療行為を行うことを禁止していますが、医師法の規定のもとで看護師が医療行為を行うことは可能としています。
ただしお客さまにアートメイク施術を行えるようになるには、研修や実技などでアートメイクの知識やスキルを習得した後になります。
アートメイクスキルを習得するために、アートメイクのスクールに通うのが一般的です。
スクールの平均的な費用は10万円からとなっており、期間は1日から6ヶ月までと幅広いものとなっています。オンラインで受講できるスクールもあるため、自分が学びたい内容やライフスタイルに合わせて選択すると良いでしょう。
▼参考資料はこちら 医師法第17条
アートメイク看護師として必要なスキル
アートメイク看護師は「アートメイクアーティスト」とも称され、看護師という職業の中でも先鋭的なジャンルに該当します。そのため、求められるスキルも一般的な看護師とは異なります。
コミュニケーション能力
お客さまの「キレイになりたい」をカタチにするのが、美容看護師の使命です。そのためには、お客さまとの意思疎通が欠かせません。特に初めてのお客さまは、不安と緊張を抱えて来院されるため、コミュニケーションによる不安や緊張を緩和する能力が必要となります。
お客さまの中には、希望の内容を上手く説明できなかったり、イメージが固まっていなかったりする場合があります。そのようなお客さまに対してもコミュニケーションを通じ、要望や深層心理を引き出す必要があります。
デザインセンス
アートメイクの持続期間としては1~3年に及び、その期間はレーザー照射などの除去施術をしない限り、消えることはありません。つまり、その時のトレンドに合わせたデザインでは数年後には時代遅れとなる可能性があります。
お客さまの先を見据えて時代に左右されず、かつ応用が利くデザインを提案する必要があります。例えば、アートメイクの中で最もニーズのある眉毛では、"全体比×顔の形に合ったデザイン"をベースにしつつ、アレンジしやすいデザインを提案します。
確かな施術スキル
アートメイクは人の肌に針を刺す施術です。この施術は一時的な刺青(タトゥー)でもあり、一度施術すると1~3年は効果が持続するため、失敗すると取り返しがつきません。
失敗をしないためにも、アートメイクスクールや研修があるクリニックでしっかりと技術を学び、実際にお客さまへ施術できるようになったら実践を重ねて成功体験を積んでいきましょう。
トレンドも技術も日々進化するため、学び続けて自身を成長させていくことが重要です。
アートメイク看護師として働く上でのメリット
アートメイク看護師には、一般的な看護師(病棟看護師/クリニック看護師/美容看護師)と比較をして、どのようなメリットがあるのでしょうか。調査を行ってみました。
お給料が高い
アートメイク看護師のお給料は、基本給+技術手当+インセンティブで決定します。施術は自由診療(保険適用外)のため、お客さま一人ひとりの単価が高く、その分看護師のお給料も高めに設定されています。
一般的な初任給は、月収30~35万円と病棟看護師と大差はありません。しかし一人前のアートメイク看護師となり、指名されるようになるとインセンティブや指名料でどんどん収入がアップします。
またアートメイク看護師として職位やランクが上位まで到達すると、年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
美容知識が身に付く(お客様だけでなく、看護師自身も綺麗になることができる)
アートメイク看護師は、人の顔をデザインするプロです。アートメイクの施術をして終わりではなく、通常のメイクを施した「完成形」を考慮しながら顔をつくりあげていきます。
メイクは十人十色なので、施術経験を重ねるにつれてメイク法についても詳しくなり、自身のメイクテクニックも向上していきます。
自分にしかできない仕事ができる
日本ではアートメイクの歴史がまだ浅いため、個人の裁量で新しい道を切り開くことが可能です。実力をつけて有名になれば、アーティストとして自らさまざまなトレンドをつくり出すこともできます。
アートメイク看護師として働く際の注意点
アートメイク看護師の職場は美容クリニックなどの「医師が常駐する」医療機関です。それ以外の施設(美容エステサロンなど)でもアートメイクの求人はありますが、医師不在のアートメイクサロンでのアートメイク施術は違法となります。知らない間に法を犯さないよう、求人はしっかりと確認するようにしましょう。
また、人の肌に針を刺す施術を行うため、お客さまが皮膚障害などの健康被害を引き起こす可能性があります。
国民生活センターが発表している「アートメイクの危害」には健康被害の他に、失敗したアートメイクを除去する費用と時間(施術の倍以上の費用と時間がかかること)について記載されています。こうした点をお客さまに注意喚起した上で、施術を行うことが重要です。
▼参考資料はこちら アートメイクの危害
アートメイク看護師の転職難易度は?
結論から言うと、アートメイク看護師への転職はかなり難しいです。これは美容看護師全般に言えることですが市場全体の求人数が少ない一方で、とても人気のある職種です。
そのため求人が出た際は応募が殺到し、採用については経験者が優遇されてしまいます。
特に美容看護師の経験もない人は、まず美容看護師に転職し、並行してスクールに通いながらアートメイク看護師を志す方が無難でしょう。 また、転職を成功させるためには、「日々の求人情報チェック」「美容知識(特にアートメイク)に関する知識のインプット」が欠かせません。医療に特化した転職エージェントに登録して、新着の求人情報を常に受け取れる状態にしておくことや在職中にスクールに通えば道は拓けるかもしれません。
まとめ
病気に苦しまれる患者さまというよりも、「美」を追求する「お客さま」に貢献するアートメイク看護師は、看護師の新しい働き方として注目を浴びています。看護師という枠を超え、アーティストとしても活躍できる華やかな世界だけに、転職先としてはやや難易度が高いのが実情ですが、日々転職に向けた努力を怠らないことで道は拓けます。
看護師の資格を活かして、新たなステージに踏み出しましょう!