看護師のストレスとなる原因と対処法を徹底解説
記事掲載日:2021/11/10
看護師はストレスを感じやすい・溜め込みやすい職種の一つだと言われています。 この記事では、看護師がストレスを抱える原因へ迫るとともに、その解消法についても解説します。ストレスをゼロにすることは難しいですが、賢くつきあって、日々の生活を充実させましょう。
看護師が抱えるストレスの原因
看護師が抱えるストレスの原因には、どんなものが挙げられるのでしょうか。ストレスの原因を知ることが現状改善の一歩へとつながります。
人間関係
どんな職場でも人間関係はストレスの原因になりやすい傾向にあります。とりわけ看護師の場合は職場によってはほとんど女性社会であり、女性特有の複雑な人間関係が存在するため人間関係に悩まれる方は多いようです。例えば、「師長やプリセプターが厳しい」「周囲が忙しそうで聞きたいことを聞けない」「医師との相性が合わない」など、日々の業務で感じる悩みの積み重ねが大きなストレス発展につながります。
また、看護師は、上司・同僚だけではなく、患者さまとの人間関係もストレスの原因になりやすい傾向もあります。立場上、医師に比べて患者さまとの距離が近くなりやすいため、無理な要望や理不尽なクレーム等に対処するケースも珍しくなく、ストレスが溜まりやすい環境だと言えるでしょう。
ワークライフバランスの実現が難しい
人手不足で休暇が取れない、残業が多い、夜勤の負担が辛いなどの理由から、日頃の疲れを回復するために休日は寝て過ごしてしまう看護師は多いようです。特に病棟勤務の場合はカレンダー通りに休日をとれるのは稀です。そのため、家族や友人と都合を合わせるのが難しく、孤独を感じやすいこともストレスに繋がっているかもしれません。
収入が見合わない
一般的には給与が高いと言われる看護師ですが、働く現場によって収入は異なります。例えば、美容クリニックで働く美容看護師は、自由診療で治療代が高額になる傾向にあるため、高い給与を得ている方が多数います。一方で日本看護協会が2021年3月に発表した「2020 年 病院看護実態調査 報告書」によると、総合病院では病院看護師の基本給で、勤続10年のベテラン看護師の方でも244,587円です。
この基本給に加えて前述の夜勤手当が発生します。「夜勤があるのにこのお給料...」と考えてしまう看護師もいるかもしれません。とくにコロナ禍における看護師のポジションは感染リスクとも隣り合わせです。働く対価として見合っているのか?そう考え続けて働くことも、ストレスを助長させます。
▼参考資料はコチラ
2020 年 病院看護実態調査 報告書
仕事の責任が大きい
看護師は患者さまの健康や命を預かる責任重大な職業であり、どんなに小さなミスも許されず、常にプレッシャーや緊張が伴います。経験を積むことで余裕は出てくるかもしれませんが、それに比例して仕事量も増え、責任の範囲も大きくなるので、心身の休まらない状態が続くのも、ストレスの一因となっているようです。
看護師のストレスを解消する方法
ストレスをそのまま放置していると、仕事へのモチベーションやパフォーマンスの低下にもつながります。ここではストレスの効果的な解消法についてご紹介します。
職場の同僚や看護学校時代の友人に相談する
現状のストレスや悩みを職場の同僚や看護学校時代の友人に相談してみましょう。悩みを親身になって聞いてもらえることで、気持ちが楽になり、話すだけで気持ちの整理ができます。現状抱えている悩みについて、職場の同僚や看護学校時代の友人も悩んでいた経験があれば、アドバイスや改善方法を教えてもらえるかもしれません。
もちろん、家族や看護師として働いていない友人などに相談する方法でも問題ありません。しかし、看護師として勤務されている方に相談したほうが、悩みに対する共感や仕事に対する理解があるため、より効果的なストレス解消につながるはずです。
「3つのR」を意識しながら日々生活を送ってみる
「3つのR」とは、「レスト:Rest(休息・休養・睡眠)」「レクリエーション:Recreation(運動や旅行、ガーデニングのような趣味・娯楽や気晴らし)」「リラックス:Relax(ストレッチ、瞑想や音楽、アロマセラピーなどのリラクゼーション)」を指します。3つのRを意識しながら生活を送るように努めれば、軽度なストレスは解消できるはずです。
ポイントは、オンとオフの切り替えです。休日は仕事を完全に忘れて、自分を癒すことに専念しましょう。なお、「趣味もなく休日は寝ているだけ......」という方は、睡眠と食事の質を向上させるのもおすすめです。寝具にこだわる、バランスの良い食事を心がけるなど、身近なことから生活に取り入れてみてください。
ストレスの原因を考える
慢性的に複数のストレスを抱えていると、ストレスが連鎖してマイナス思考に陥りがちです。一度原点に返り、ストレスの根本的な原因を洗い出してみてはいかがでしょうか。ストレスの原因が分かるだけで問題が解決できる場合もあります。
たとえば、「将来が不安」であれば、○歳までに~をする、など計画を立ててみます。目標ができるとその時までにやらなくてはいけないことが明確になり、不安やストレスも軽減されるはずです。この時、紙に書き出してみるのをおすすめします。物事を客観的に捉えられるようになり、ストレスへの耐性も高くなるでしょう。
職場環境を変えてみる
上記のストレス解消方法を実践してみても解決しない場合は、転職の検討もひとつの方法です。ただし、転職先で全くストレスがないとは限りません。新たなストレスに悩まされる可能性もあります。
上記のようなリスクを回避するには、転職エージェントの有効活用がおすすめです。ナースステップでは、医療業界に特化したキャリアコンサルタントがご自身のライフスタイルや希望に合った職業を提案します。まずは現状のストレスや悩みを相談してみてはいかがでしょうか。
行ってはいけないストレス解消方法
自分の精神的・身体的コンディションを高めることがストレス解消法の基本です。しかし、その解消法が逆効果となるケースもあります。たとえばアルコールの摂取は容易なストレス解消法としてよく知られていますが、1人で飲酒すると考えすぎて落ち込んでしまう場合があります。また、飲酒が習慣になるとアルコール依存症にもなりかねません。
やけ食い・やけ買いなども、一時的にはスッキリするかもしれませんが、反省や後悔する結果を招き、逆にストレスを誘発してしまいます。
また、睡眠はストレス解消に最も効果的な方法ですが、「寝だめ」は厳禁です。睡眠のサイクルが不規則だと体内時計が狂い、疲れが取れないだけでなく、スッキリとした朝を迎えられない可能性もあります。
まとめ
今回ご紹介したストレス解消方法を実践して改善できない場合は、転職を視野に入れるのも一案です。その際は、決して勢いで退職するのではなく、転職エージェントなどのプロから助言をもらいながら転職活動を進めるようにしてください。
患者さまを救うのが看護師の使命ですが、その前に自分がストレスで倒れてしまっては本末転倒です。とくに看護師の仕事は体が資本でもありますので、自分のストレスにしっかりと向き合い、心身ともに健全なコンディションを保ちましょう。
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