訪問看護に向いている人の特徴を紹介!
記事掲載日:2022/09/12
昨今の日本の高齢化は深刻で、内閣府の令和元年のデータでは65歳以上の人口が総人口の28.4%と発表されており、今後も高齢化は続くと見込まれています。
その中には在宅での療養を望む患者さまも多く、訪問看護の需要はこれからも高まっていくでしょう。公益財団法人日本訪問看護財団のデータによると、2015年には8,158件であった訪問看護ステーションも2021年には12,078件と年々増加傾向です。
▼参考資料はコチラ
内閣府『1 高齢化の現状と将来像|令和2年版高齢社会白書(全体版)』
公益財団法人日本訪問看護財団『訪問看護の現状とこれから2022年版』
看護師の訪問看護での需要も高まっていく中で、今回は訪問看護に向いている人の特徴を紹介します。
- 車の運転に慣れている
- 病だけを看るのではなく、生活支援に興味がある
- 臨機応変に対応できる
- オンコール対応が苦ではない
- 訪問時の「礼儀作法」や「マナー」を心得ている
- 自発性・積極性がある
- 1対1で利用者さまと向き合いたい
- まとめ
車の運転に慣れている
訪問看護事業所によって、何を使って訪問看護に回るかは変わってきます。多くは自転車か車ですが、自転車では回れる範囲が狭く、限られてしまいます。
そのため、多くの件数や広い範囲の地域に住む利用者さまを訪問するためには、車の運転は必要不可欠です。
事業所によりますが、1件ずつ訪問終了後、報告書作成のために事業所に帰る必要がある所もあれば、朝と夕方に事業所に帰るのみで、丸1日車で運転して訪問に回り続ける所もあります。
そのため車の運転に慣れている方が、訪問看護に向いているといえるでしょう。また、運転に要する集中力や体力も必要になってきます。
病だけを看るのではなく、生活支援に興味がある
訪問看護では、医療行為以外の支援を行うことも少なくありません。高齢な利用者さまが多いため、介護業務はもちろんですが、生活支援も行うこともあります。
生活支援というとイメージがつきにくいですが、利用者さまの買い物に付き添ったり、部屋の片づけをお手伝いしたりなどの業務が挙げられます。
医療行為だけではなく、利用者さまに関わる周りのことを行う、といったイメージが訪問看護に近いと言えます。病だけに向き合うのではなく、利用者さまの生活を含めた包括的な支援をしたい、と考える方は訪問看護に向いているでしょう。
臨機応変に対応できる
訪問看護の現場は、病院のように物品が揃っているわけではありません。例えば、褥瘡(じょくそう)のケアを行おうと思った際に、洗浄用のボトルはもちろん在宅にはありません。そのため、ペットボトルを利用するなどして代用する必要があります。
また、訪問した際に、利用者さまが倒れている可能性もあるかもしれません。そういった場合、事業所への連絡や、救急車を呼ぶなどの判断が必要になります。
基本的に看護師1人で訪問する事業所が多いため、何かあった場合に臨機応変に対応できる看護師が向いていると言えます。
オンコール対応が苦ではない
訪問看護では、オンコール対応を行っている事業所もあります。当番制でPHSを所持し、万が一の場合に利用者さまのもとへ駆けつけなければなりません。
そのため、ご家庭の事情でどうしても出られなかったりといった方は、オンコール対応が必要な事業所での就業は難しいかもしれません。
反対に夜勤が苦ではなかった方はオンコール対応も苦ではない方が多いため、訪問看護に向いているといえます。
ただ、一概にオンコール対応できないから訪問看護師として働くのは難しい、というわけではありません。事業所によっては就職の際に相談に乗ってもらえる場合もあります。事情を説明し、オンコール対応のない勤務や、オンコールの対応回数を少なくしてもらうなど、検討してもらうのも良いでしょう。
訪問時の「礼儀作法」や「マナー」を心得ている
訪問看護は医療機関と異なり、「伺う」立場です。そのため、初対面での印象やマナーは非常に重要になってきます。
初対面でしっかり挨拶を行い、他人の家を訪問する際の「礼儀作法」や「立ち居振る舞い」も、心得ておかなければなりません。利用者さまに「失礼な人」だと判断されてしまうと、その後の訪問はお断りとなる場合もあり、事業所にも利用者さまにも迷惑をかけてしまいます。
常に利用者さまの立場に立ち、細やかな気遣いや気配りを大切に出来る方は、様々な利用者さま、ご家族と良好な関係を築けるでしょう。
自発性・積極性がある
訪問看護では自発性や積極性も重要です。訪問看護は、訪問看護指示書に基づいて、訪問看護を実践していきます。そして訪問看護で関わる利用者さまは長期的な付き合いになってくるケースが多いです。そのため、適宜指示書の内容を考え直し、利用者さまに合わせた看護内容に修正する必要があります
そうした指示書の変更には、訪問に伺っている看護師の意見が重要視されます。さらに看護師は一番利用者さまの身近にいる存在であり、他職種や家族への適切な情報提供をしていく必要があります。そういった連携の場面でも自発的に動いていくことが重要でしょう。
利用者さまに適切な看護を実践しようと自発的・積極的に動ける方は、訪問看護に向いていると言えます。
また、訪問先の現場では予期せぬ様々な事態が起こります。医療に関わるスキルや知識を常にアップデートするだけではなく、こまめにスタッフ間で事例や情報共有を行う、先輩看護師に聞きに行くなどし、自ら訪問看護のスキルを高めていく姿勢が大切です。
1対1で利用者さまと向き合いたい
訪問看護の現場では利用者さまと1対1で密接にかかわります。そして担当する利用者さまのお宅を、繰り返し訪問していきます。もちろん新規の利用者さまも訪問に回りますが、病棟ほど担当の患者さまが変わることは多くありません。
だからこそ訪問看護は、利用者さまとの長期にわたる関わりの中で、利用者さまの「人となり」を理解し、その人らしく生活ができるよう、ご家族さまも含めて支援していくという点で、大きなやりがいを感じることができます。
そのため、じっくりと1対1で目の前の利用者さまとそのご家族に向き合い、相手に寄り添った看護を提供したい方は、訪問看護に向いていると言えるでしょう。
まとめ
訪問看護の事業所が増えていく中で、訪問看護における看護師の需要も高まってきています。しかし看護師自身が抱える看護師像や働きたい現場のイメージは、看護師によって大きく異なってくるでしょう。
長く現場で働き続けるためにも、自分自身が訪問看護の現場に向いているのかどうか、一度検討してみる必要があります。
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