デイサービスの看護師が担う役割は?必要なスキルや転職成功のポイント
記事掲載日:2024/07/10
デイサービスの看護師というと、利用者さまに囲まれてゆっくり勤務できるイメージをお持ちの方も多いでしょう。しかし実際は、看護師が担う役割は多岐にわたります。今回は、デイサービスでの看護師の役割や仕事内容、メリット・デメリットについてご紹介。必要なスキルや転職活動のポイントなども掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
- デイサービスにおいて看護師が担う役割
- デイサービスにおける看護師の主な仕事内容
- 【スケジュール例】デイサービス勤務の看護師の1日
- 看護師がデイサービスで働くメリット・デメリット
- デイサービス勤務はこんな看護師におすすめ!
- デイサービスで働く看護師に必要なスキル・知識
- 【看護師向け】デイサービスへ転職を成功させるには?
- デイサービスで働く看護師の役割や仕事に関するQ&A
- デイサービスの看護師は生活と両立しやすくやりがいのある仕事
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デイサービスにおいて看護師が担う役割
デイサービス看護師の主な仕事は、利用者さまの健康管理と簡単な医療ケアです。看護師は利用者さまの健康状態を観察し、安心して日常生活が送れるように支援します。利用者さまご本人や介護に追われるご家族の心のケアも担当し、多岐にわたる役割を担っています。
また、利用者さまのご家族と連携し、家庭でのケアや健康管理についてアドバイスを行う役目もあります。看護の業務に加え、介護職員の業務を補助することもあるでしょう。
デイサービスでの看護師の仕事内容はこちら
デイサービスの看護師に必要なスキル・知識はこちら
【基礎知識】デイサービスとは?
デイサービスは、日帰りで食事や入浴などの介護サービスを提供する施設です。
デイサービスでは、利用者さまができる限り自宅や地域社会で自立した生活ができるように支援します。ご家族の介護負担を軽減し、利用者さまの社会参加を促して身体機能の維持・向上を図ることが目的です。
デイサービスは主に平日に運営しています。施設による送迎があり、利用者さまを朝に迎えに行き夕方に自宅まで送り届けます。
【デイサービスの概要】
主な対象者 | 要介護1~5の認定を受けている人 (40歳以上65歳未満の医療保険加入者で特定疾病を抱えている人も含む) ※介護予防認定を受けたデイサービスの場合、回数に制限はあるが要支援の方も利用可能 |
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主なケアの内容 |
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デイサービスの主な種類 |
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デイサービスでは、利用者さまに食事や入浴などの日常生活のサポートやリハビリテーション、看護師などによる健康管理を提供します。レクリエーションの活動時間を設けて身体機能の維持を促し、利用者さま同士やスタッフとの交流を持つことで精神的な健康維持を促しています。
また、デイサービスはご家族の介護負担を軽減する役割もあります。利用者さまは主に介護保険の要介護認定を受けた高齢者が中心です。一部、障害者支援や病後のリハビリテーション目的の利用もあります。
デイサービスにおける看護師の主な仕事内容
デイサービス勤務の看護師の詳しい仕事内容は上記の通り。利用者さまの健康管理に関わる業務と介護ケアが中心です。以下で詳しい内容を説明します。
バイタルチェックと健康管理
利用者さまのバイタルチェックと健康管理は、デイサービスにおいて看護師が担う主な仕事です。毎日利用者さまの健康状態を観察し、体調の変化を見逃さないようにします。
体調不良時には、必要に応じて入浴やリハビリテーションを中止するなどの調整を実施し、利用者さまの体調の状態に応じて、活動量を調整しながら支援を行います。
医療処置・服薬管理
医療処置と服薬管理も、デイサービスにおける看護師の代表的な仕事です。利用者さまの健康状態や病歴に応じて、インシュリン注射や血糖測定、褥瘡管理、胃瘻の管理など必要な医療処置を行います。処置自体に難しいものはほとんどありません。
慢性疾患を持つ利用者さまの場合、日々の服薬が健康維持のために不可欠です。決まった時間に服薬が必要なものは正確に服薬管理を実施します。
日常生活支援と健康相談
デイサービスの看護師には、日常生活支援と健康相談を通じて利用者さまの自立を促す役割もあります。利用者さま一人ひとりの健康状態や生活習慣に応じて、適切なアドバイスを提供し、個々の状況に合わせて、適切な介護サービスを紹介することもあります。
また、デイサービス看護師は利用者さまやご家族の心のケアをする役割も担っています。日頃からコミュニケーションを大切にした関わりが求められます。
身体介助・レクリエーションのサポート
デイサービスでは、看護師も介護ケアの補助を担当。排泄・食事の介助など、利用者さまの身体的な状態に応じて介助を提供します。安全にデイサービスを利用できるような管理をするのも看護師の役割のひとつです。
他にも、デイサービスで実施するレクリエーションやイベントの補助や、リハビリテーションの補助を担当することもあります。
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【スケジュール例】デイサービス勤務の看護師の1日
8:30 | 出勤・ミーティング・準備 |
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9:00 | 送迎車に乗り利用者さまの自宅へお迎えに行く |
10:00 | バイタル測定・体調確認 |
10:30 | 入浴後の軟膏塗布や褥瘡処置 |
11:30 | 血糖測定・インスリン注射・経管栄養・配膳・食事介助・配薬 |
13:00 | 休憩 |
14:00 | レクリエーションの補助 |
15:00 | 記録業務 |
16:00 | 送迎車に乗り利用者さまを自宅まで送り届ける |
17:00 | 退勤 |
施設によりますが、看護師が利用者さまの送迎を担当する場合もあります。午前中は、利用者さまの体調確認と入浴に関連する処置、お昼前後は服薬管理と食事介助が主な業務です。
午後は記録の作成とレクリエーションなどの業務を行います。利用者さまは時間通りに帰宅するので、残業はほとんど発生しないでしょう。
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看護師がデイサービスで働くメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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デイサービスの勤務はメリットもあればデメリットもあります。勤務時間や給料、仕事内容など、いろいろな点でのメリット・デメリットを見ていきましょう。
看護師がデイサービスで働くメリット
デイサービス勤務はほとんどの場合で夜勤がなく、日中のみの勤務であるためプライベートの時間が確保しやすいです。規則正しい勤務で生活リズムが安定しやすい特徴があります。
また、デイサービスでは利用者さまと継続して関われるため、看護の質を高められるでしょう。介護職や医師、ケアマネジャーなどと連絡を密に取りながら働く必要があり、多職種との連携スキルが磨かれるメリットもあります。
さらに、デイサービスは病院に比べて緊急の対応を行うケースが少ないです。高度な医療は必要とされないため、看護師としてのブランクがある人も復職しやすいでしょう。
看護師がデイサービスで働くデメリット
デイサービスでの勤務は、病院勤務時に比べ高度な医療行為をする機会はほとんどなく、最新の医療を学ぶ機会や看護師としてのスキルを磨く機会も少ないでしょう。基本的に夜勤もないため、看護師の給与が他の医療機関に比べて低めの傾向があります。経済的な報酬を重視する看護師にはデメリットと感じられるでしょう。
その一方で、看護師は1人だけという施設も多く、まれに急変時の対応をすることも。
また、病院などと比べて小規模なデイサービスは、利用者さまの人数も限られており、看護師の入れ替わりも多くないため、採用枠は限られています。
デイサービス勤務はこんな看護師におすすめ!
デイサービスで働くのは、高齢の方とのコミュニケーションが好きな看護師におすすめです。利用者さまの些細な変化も見逃さない観察力がある人も向いているでしょう。
また、デイサービスは基本的に夜勤がなく日勤のみなので、家庭と両立がしやすい面があります。プライベートを充実させたい人にもぴったりです。
さらに、高度な医療行為が要求されないためブランクがある人や、一人ひとりの利用者さまとじっくり向き合いたい看護師にも適しています。その人らしい生活を支援することに重点を置き、地域の高齢者や障害者の生活の質向上に貢献できるでしょう。
デイサービスで働く看護師に必要なスキル・知識
コミュニケーション能力
基本的な医療知識と看護技術
介護ケアや身体介助のスキル・技術
デイサービスで看護師として働くうえで必要なスキルや、役に立つスキルを紹介します。どれも特別なスキルではありません。基本的な知識と技術を持っていることが重要です。
コミュニケーション能力
デイサービス勤務の看護師には、利用者さまやご家族、他の介護スタッフとの信頼関係を築くために、円滑なコミュニケーション能力が求められます。信頼関係を構築することで、よりよいケアの提供につながるでしょう。
また、適切なサポートを提供するために、利用者さまの要望を聴き取る能力や、説明のスキルも必要です。チーム医療の一員としてのコミュニケーション能力が高いと、他職種と連携が取れ、スムーズなケアの提供につながります。
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基本的な医療知識と看護技術
デイサービス勤務の看護師は、バイタルチェックや病状の観察をはじめ、急変時の対応を含む幅広い医療的ケアを行うため、基本的な医療知識と看護技術が不可欠です。
服薬管理などの日常的な健康管理から、医療処置まで業務内容は多岐にわたります。利用者さまの体調不良時には、訴えと状態をよく観察してアセスメントするスキルが必要です。
介護ケアや身体介助のスキル・技術
デイサービス勤務の看護師は、病院やクリニックでの勤務に比べて介護職員のサポートや介護ケアの補助を行う機会が多いです。介護ケアや身体介助のスキル・技術は必須であり、とくに移乗支援や食事介助、排泄介助、入浴介助等の知識・技術は現場で役に立ちます。
正しい介助のやり方を身につけることで、利用者さまへの快適なケアの提供につながるでしょう。
【看護師向け】デイサービスへ転職を成功させるには?
デイサービスの看護師求人は少ないため、面接時にしっかりとアピールすることが大切です。より効果的にアピールできるよう、転職成功のコツを見ていきましょう。
志望先のデイサービスに求められる人材を理解する
まずは、転職を希望する施設でどんな看護師が必要とされているかを調べましょう。各施設によって、看護師が対応する業務の範囲が異なるケースもあります。
志望先の施設で看護師はどんな仕事を担当しどんな役割を担うのか、期待されている役割は何かなどを事前に把握しておきましょう。自己PRや志望動機の作成が進めやすくなり、効果的にアピールできます。
介護領域の知識や介助のスキルを身につける
デイサービスにおいて看護師は、介護ケアのサポートを行う機会も多いです。看護師としての基本的な看護スキルに加え、介護ケアの知識やスキルも学んでおくと転職した際に役に立つでしょう。
移乗介助、移動介助、排泄介助、食事介助などはとくにデイサービスで行うことが多い技術です。いざというときに困らないようにしておきましょう。
デイサービスの業務に活かせる強みや経験をアピールする
看護師のデイサービスへの転職活動では、コミュニケーション能力が重視されます。看護師にはとくに利用者さまやそのご家族との信頼関係を築くためのコミュニケーションや、他のスタッフと協力してサービスを提供するためのチームワークを重視する姿勢が求められるでしょう。
また、基本的な医療知識や看護技術、介護に関する知識や技術があることをアピールするのも有効です。
【自己PR例文1】
私は前職の内科病棟で、患者さまとのコミュニケーションを大切にしてきました。とくに患者さまからの訴えには、病状に関することや不安に感じていることなど重要な情報が含まれているので、よく耳を傾けるようよう心がけていました。「聞いてもらえて助かった」「話すだけで気持ちが楽になった」など感謝されることが多かったです。
貴施設で勤務する際も利用者さまの話をよく聞き、サービスの満足度を高めていきたいと考えています。
【自己PR例文2】
私が働くうえでもっとも大切に考えていることは、職場のチームワークです。利用者さまへの質の高いサービスは、他のスタッフとの連携なしには実現できません。前職のクリニックでは少ないスタッフの中で、お互いの仕事をカバーし合いながらよい関係のチームとしてサービスを提供してきました。患者さまの急変対応もスタッフ同士の連携のおかげで素早く対処できたと自負しております。
貴施設でも他職種のスタッフの皆さまへの気遣いを忘れず、ともに連携をとりながら仕事をしていきたいです。
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デイサービスで働く看護師の役割や仕事に関するQ&A
デイサービスで働く看護師について、よく聞かれる質問をまとめました。デイサービス看護師についてもっと知りたい方は参考にしてみてください。
Q.デイサービスと医療機関では、看護師が担う役割はどう違う?
デイサービスにおいて看護師は、利用者さまの日常生活の質向上を目指し、健康管理や疾病予防、リハビリテーションの支援などの役割を担っています。
一方、医療機関は病気や怪我の治療、手術後のケア、緊急時の対応など専門的な医療行為に焦点を当てる場所です。看護師には主に医師による診療や治療の補助の役割があります。
デイサービスは医師が常駐しない施設であるため、看護師は利用者さまの急変時には医療的な判断や他のスタッフへ指示を出す必要があります。
デイサービスにおける看護師の役割 | 医療機関における看護師の役割 |
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利用者さまの健康管理や疾病予防 | 病気や怪我の治療で必要な医療行為の補助 |
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急性期病棟(病院)の看護師のリアル-仕事・役割メリット・デメリットまで解説
Q.デイサービスで働く看護師の給与はどのくらい?
デイサービスで働く看護師の給与は、施設や地域、看護師本人の経験やスキル、勤務形態によって異なります。一般的な相場は300〜390万円(※)と、夜勤がないため病院勤務に比べて給与は低めです。
ただし、勤務時間が固定されており残業もほとんどないことから、プライベートの時間を確保しやすいメリットがあります。
※ナースステップに掲載の東京都デイサービス看護師求人をもとに調査
Q.デイサービスで働く看護師に必要な資格は?
デイサービスで看護師として働くためには、看護師免許が必須です。他に必要な資格はありませんが、追加で介護福祉士やケアマネジャー、老人看護分野の専門看護師資格や認知症分野の認定看護師などの資格があると専門的なケアが提供できます。
介護分野の専門的な知識や技術を持っていることで、よりデイサービス特有のニーズに応えられるようになるでしょう。
【持っていると役立つ資格】
デイサービスの看護師は生活と両立しやすくやりがいのある仕事
デイサービスの看護師は利用者さまの健康管理が主な業務です。利用者さまやそのご家族、ともに働く介護スタッフとの信頼関係を築けるようなコミュニケーション能力と基本的な看護の知識と技術が求められます。看護師も送迎や介護ケアに関わる必要がありますが、残業や夜勤はほとんどなく、プライベートとの両立がしやすい人気の職場です。
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ナースステップは
「なぜ転職するのか」の理由を
明確にするところから一緒に考えます。
看護師の転職に悩んだら
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