40代看護師の転職のコツ!難しいと言われる原因や転職の注意点を解説
記事掲載日:2021/11/29
「40代の看護師の転職は難しい?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。しかし、「看護職員の不足に伴い、今後ベテラン看護師は引っ張りだこになる」といった意見も多くあります。本記事では、40代前後の看護師の転職事情をわかりやすく解説。転職を成功に導くコツや、注意点など詳しく解説していきます。
- 40代の看護師の転職は世間からどう見える?
- 40代看護師の転職したい理由
- 40代看護師だからいい!アピールできるポイント
- 40代看護師の転職準備
- 【目的別】40代看護師の転職のコツとおすすめの職場
- 40代看護師の転職の注意点
- 40代看護師の転職についてのよくある質問
- 40代看護師の転職はナースステップへ相談を
40代の看護師の転職は世間からどう見える?
40代の看護師は、経験豊富で知識やスキルを備えた人材として高く評価され、即戦力として期待されます。ただし、50代になると転職市場は急激に変化するため、40代での転職先は最後まで働く勤務先として慎重に選ぶ必要があります。
40代看護師の転職が難しいって本当?
・40代看護師の転職は比較的難しい傾向にある
・しかし、40代看護師の豊富なスキルや経験は即戦力でもある
一般的には、40代の看護師の転職は難しいと言われます。
実際、職場の方針によっては、若い世代が優先されることも。とくに急性期病院では、医療の技術や手法が著しく変化し、高い学習能力や柔軟な適応力が求められます。そのため、20代から30代の看護師が優先的に採用されるケースがよくあります。また、専門的な診療を行う病院に、その分野の経験がない40代の看護師が応募するケースでも同様です。
しかし、即戦力を求める職場や経験を重視する職場では、豊富なスキルと経験が大きな武器となり、有利になる場面も多いです。
40代看護師の転職したい理由
40代の看護師が転職したいと思うのには、次のような理由が考えられます。
・キャリアアップを目的に転職したい
・子育てがひと段落し、以前と同じように働きたい
下記でそれぞれ詳しく説明していきます。
ライフスタイルを重視して働きたい
育児や家庭の時間を大切にしたいと考える看護師は多くいます。最近では40代で子どもを持つ人も増えており、育児と仕事との両立に難しさを感じる人は少なくありません。
時短勤務などの制度もありますが、ハードワークな看護師を続けるには周りの手厚いサポートが必要不可欠です。現在の職場で、育児と仕事の両立に限界を感じる看護師が転職を検討するケースはよくあります。
キャリアアップを目的に転職したい
40代の看護師の中には、キャリアアップやスキルアップを目指して転職を考える人もいます。より責任のある管理職に就きたい場合は、同じ職場で働き続ける選択肢もあります。
しかし、新たな資格を取得したい、最先端医療に関わりたいと考える場合は、目的に合った職場への転職も有効です。
子育てがひと段落し、以前と同じように働きたい
子どもが成長し、手がかからなくなった40代の看護師が転職(復職)を考えるケースもあります。子育てがひと段落したから復帰したい、子どもの大学進学などで多額な教育費用が必要になったなど、以前と同じようにまたは近い程度に働ける職場への転職を考える看護師は多くいます。
40代看護師だからいい!アピールできるポイント
一般的に、転職は若いほど有利だと言われますが、40代だからこその魅力も。若年看護師にはない、40代だからこその強みをアピールしましょう。
・離職の可能性が低い
・管理職・新人教育を任せられる
豊富な経験とスキルがある
人手不足が深刻な医療業界において、経験豊富な40代看護師は即戦力となる貴重な存在です。とくに、新人看護師を育成する余裕がない職場では、長年のスキルを活かせる40代看護師が優遇される傾向にあります。40代ならではの強みとして、これまでの経験やスキルをしっかりとアピールしていきましょう。
離職の可能性が低い
子育てがひと段落していることも多い40代の看護師は、離職の可能性が低い点が大きな強みになります。結婚や出産などのライフイベントによって急に退職する若い看護師と比べて、長期的な雇用が見込める貴重な存在です。ブランクがあったとしても、離職率が低いため、病院側にとっても採用のメリットがあります。
管理職・新人教育を任せられる
40代の看護師の経験やスキルは、新人看護師の教育においても大きな価値を持っています。また、新人看護師の教育担当にならずとも、周囲から頼られる存在として看護師たちをまとめる立場になれるでしょう。
通常、管理職や新人教育を担当できる人材を育成するには時間がかかりますが、40代の看護師は入職後の早い段階からリーダーシップの役割が期待できるため、貴重な存在として重宝されます。
40代看護師の転職準備
40代看護師が転職活動を成功に導くためには、一体どのような準備が必要になるのでしょうか。ここからは3つの項目に分け、それぞれについて説明していきます。
・キャリアの棚卸を行う
・医療業界に特化した転職サービスを活用する
転職理由・今後のキャリアを明確にする
✓職場を変えたい理由
✓勤務地、待遇、子育てのしやすさなどの優先順位
✓今後のキャリアプラン
✓50代になったときの生活・仕事のイメージ
40代の看護師が転職を考える際は、まずは転職理由を明確にしましょう。なぜ職場を変えるのか、今の職場で希望は叶えられないのかなど、今一度整理する必要があります。
また、勤務地や子育てのしやすさ、給与、労働形態など、転職理由に加えて優先するポイントや妥協の範囲も、一つひとつ見直しておきましょう。
さらに、今後のキャリアを明確にすることも重要です。40代の転職では、今後の職務内容やキャリアがある程度固定される傾向にあります。40代、50代と働いていくことを踏まえ、仕事や生活のイメージを具体的に持つことが大切です。どのような職場で、どのようなキャリアを積んでいきたいのか、明確にしましょう。
キャリアの棚卸を行う
✓これまで経験した業務内容
✓どのような働き方をしてきたかの詳細
一般的にキャリアの棚卸とは、これまでの仕事の内容や経験を振り返り、書き出していく作業です。40代の看護師の転職活動では、いかに経験やスキルをアピールできるかがポイントになります。
そのため、今まで勤務した病院の病床数や看護師の人数規模、医療技術のレベル、業務内容や経験年数などについて、詳しくまとめておくことが必要です。転職活動に必要な職務経歴書の作成にも役立ちます。
上記の他、自身の医療の知識やスキル、扱った医療機器、一日の対応患者数、患者さまの特徴など、さまざまな情報を思い起こし整理していきましょう。
医療業界に特化した転職サービスを活用する
✓医療業界の情報が豊富
✓効率的な転職活動が可能
40代の看護師の転職活動には、医療業界に特化した転職サービスの活用がおすすめです。さまざまな業界や職種を扱う総合転職サイト(エージェント)は、医療分野や資格ごとに求人票を分類していないことが多く、看護師の求人を探すのに手間がかかります。
しかし、医療業界に特化した転職サービスなら、資格や診療科目などを絞り込んで検索することが可能。また、医療業界に特化した一部の転職サイトでは、昨今の医療事情などに関する情報も受け取ることができます。
例えば、株式会社メディカルリソースが運営する看護師の求人・転職サービス『ナースステップ』 は、看護師や准看護師、保健師、助産師を対象に、さまざまな求人を紹介しています。
ユーザーは診療科目や資格、医療施設の形態などから求人をピンポイントで検索することができ、さらに医療業界専任コンサルタントからは転職活動に関するアドバイスを受けることが可能です。また、転職を成功に導くためのノウハウやコツも、定期的に配信されています。
【目的別】40代看護師の転職のコツとおすすめの職場
転職の理由やキャリアは明確になりましたでしょうか。ここからは転職の目的ごとに、職業(職場)を変える際のコツについてそれぞれ解説していきます。
・ライフスタイルを重視して働きたい
・キャリアアップを目的に転職したい
・子育てがひと段落し、以前と同じように働きたい
ライフスタイルを重視して働きたい
転職のコツ | ・希望する条件を明確にする |
おすすめの職場 |
・クリニック ・在宅医療(訪問看護・訪問診療) ・保育園 ・介護施設 |
ライフスタイル中心の働き方を望む人は、まず希望する条件を明確にしておきましょう。プライベートの時間を重視したい人は、勤務時間を選びやすい職場や、夜勤がなく残業が少ない職場がおすすめです。
パートタイム勤務の募集が多い職場としては、クリニックや介護施設、病院の外来勤務、老人ホーム、訪問看護ステーションなどが挙げられます。とくに、病院の外来勤務やクリニックは、パートタイム勤務のスタッフを多く配置しており夜勤や残業時間も少ない傾向に。以下、おすすめの職場を4つご紹介します。
クリニック
クリニックでの看護師の業務は、電話受付から採血などの医療処置まで、多岐にわたります。
人気の転職先のため、求人が少ないのがデメリットです。また、残業が多めで、土日祝が休日でない職場が多いことも特徴のひとつ。豊富な経験や手技スキルをもつ40代看護師が歓迎される傾向にありますが、長期的に患者さまと向き合う看護は難しい職場でもあります。
在宅医療(訪問看護・訪問診療)
在宅医療では、自宅療養している患者さまを訪問して看護ケアを行うため、一人ひとりに寄り添った看護ができます。
就業時間が17~18時とクリニックに比べて残業が少ないことも多く、土日や祝日休みの職場も多い傾向にあります。よりプライベートを重視したい場合は、オンコール対応が少なめの職場を選ぶと良いでしょう。
保育園
保育園の看護師は、主に子どもたちの健康管理を担います。
医療行為は行わないためブランクがある看護師も働きやすい職場です。夜勤がなく残業も少なめで、年間休日も多い傾向にあります。求人数もクリニックより多いため、応募しやすい職場です。
保育の補助の側面が多く、身体を使うことも多いです。しかし、子育てを経験した看護師であれば、その経験も活かすことができ、活躍できるでしょう。
介護施設
介護施設では、介護士と連携して入居されるご利用者さまのサポートを行います。ご利用者さまに寄り添った看護をしたい人におすすめです。
シフト制のため、平日休みを取りやすく、プライベートの予定も立てやすいと言えます。ブランクがあるといった看護師も応募しやすい職場です。また、介護士の他にもケアマネージャーや理学療法士など多職種と協力することが多いため、チームワークを重視したい看護師に向いています。
介護施設が医療機関と提携していない場合、訪問診療に医師が来る際には看護師が必ず付き添い、医師の指示のもと服薬管理を行います。また施設により、見取りの対応も必要です。
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クリニックでの看護師の仕事内容とは?メリット・デメリットとあわせて解説
キャリアアップを目的に転職したい
転職のコツ | ・ステップアップできる環境が整っているかチェックしておく |
おすすめの職場 | ・総合病院 |
キャリアアップを目的とする場合は、最先端の医療技術を提供する比較的規模の大きな総合病院への転職がおすすめです。
キャリアアップを目的に転職したい人は、転職を希望する医療機関の専門性や医療レベル、医療体制、休暇の取りやすさなどを細かくチェックしておく必要があります。せっかく転職してもキャリアアップできる環境でなければ意味がないため、学びたいスキルを経験できるのか、学習時間が確保できる職場かどうかを確認しましょう。
40代でのキャリアアップに疑問を持つ人は多いかもしれません。しかし、未経験の診療科への挑戦や、認定看護師や専門看護師へのステップアップを理由に転職する40代看護師は少なくありません。
子育てがひと段落し、以前と同じように働きたい
転職のコツ | ・働く条件について家族と話し合う |
おすすめの職場 |
・在宅医療(訪問看護・訪問診療) ・介護施設 ・療養型病院 |
子育てが落ち着きもう一度バリバリ働きたいという看護師は、「どのような働き方であれば体力や家庭との両立を図れるのか」をまず考えておきましょう。
仕事上のブランクや、家庭での仕事がある中で、元のペースで勤務を再開するのは決して簡単ではありません。体力が追いつかず体調不良になるケースもあるようです。転職先を決める前に、働く条件について家族と話し合い、絶対条件や優先順位を決めおく必要があります。
在宅医療(訪問看護・訪問診療)
訪問看護ステーションは、看護経験を存分に活かせるため、40代看護師に人気の職場です。土日や祝日が休みのことが多いため、お子さんの休みに合わせて休暇を取ることができます。オンコール対応があるステーションを選べば、オンコール手当によって高給与も狙えるでしょう。
介護施設
介護施設では、ご入居者さまの健康チェックや日常的な医療ケアを担います。介護は介護士がメインで行ってくれるため、ブランクがあって体力面が不安な看護師でも働きやすいでしょう。シフト制なので、平日休みを取りたい人にもおすすめです。求人数も、クリニックに比べて多い傾向にあります。
療養型病院
療養型病院では、慢性期の患者さまや、介護の比重が大きい患者さまを対象に看護を行います。毎日の業務がルーティーンになっていることが多く、残業が少なめです。手術や緊急入院がないため、自分のペースで働きやすいでしょう。夜勤ができる人は、夜勤手当で高給与を狙うことも可能です。
40代看護師の転職の注意点
最後に、40代前後の看護師が転職活動を行う際の注意点、また頭に置いておきたいポイントを紹介します。
・非公開で年齢制限を設けているケースに注意
過去の経験を過信した転職
病院へ復帰した看護師が転職でつまずく要因として、「過去の経験を過信してしまうこと」が挙げられます。自身のブランクに対する認識が現実に必要とされるスキルとは大幅に異なり、新しい職場で追いついていけないということも。特に急性期病棟への復職では、このケースがしばしばみられます。
多くの看護師は資格取得や卒業後、大学病院や急性期病棟で働くことが多いです。しかし急性期の度合いが高い総合病院などでは医療機器や医療手法が著しく変わるため、たとえ実務経験があったとしても、過去の経験が役に立たなかったり足かせになったりすることもあります。また、当時の感覚を取り戻すのに苦戦する看護師も多いようです。
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求人票の対象年齢とは別に、制限を設けているケースも
求人票には「対象:20~40歳」「対象:50歳以下」のように、応募年齢を記載している場合があります。しかし、求人票に対象年齢が記載されていなくても、実際は非公開で年齢制限を設けているケースもあるようです。
これには、年齢差別を想起させないためなど、さまざまな意図があるとみられます。特に「見た目」「若さ」に焦点が当てられる美容業界で多い傾向に。求人票の全応募要件を満たしていたとしても、選考につながらないといった場合もあるようです。
40代看護師の転職についてのよくある質問
経験とスキルに優れた40代の看護師は、さまざまな病院や施設で求められる人材です。ここでは、40代の転職についてよくある質問について回答します。
Q. 40代看護師の転職が難しいケースとは?
病院や施設が、若年層よりも40代の看護師を採用しようと考える場合、即戦力になることを期待しています。そのため、実務経験が短く看護の仕事を長く離れていた場合には、転職が難しくなるケースがあります。
Q. ブランクがあっても大丈夫?おすすめの職場は?
育児や介護のために看護の仕事を離れていた場合でも、転職はできます。とくに、家庭事情でのブランクはあまりネガティブに捉えられることはありません。ブランクが長い40代看護師が復帰するなら、慢性期・療養型の病院、介護施設、保育園など、高い看護スキルが問われない職場がおすすめです。
Q. 看護師のスキルアップにつながる資格とは?
特定の領域でスキルアップしたいなら、認定看護師や専門看護師を目指してみるといいでしょう。高齢者の対応に関心がある人や高齢者施設に転職したい場合は、ケアマネージャーの取得がおすすめです。
Q. 40代看護師の転職におすすめの職場は?
ライフスタイルを重視する、キャリアアップを目指す、以前と同じように働きたいなど、それぞれに合った職場を検討しましょう。
【目的別】40代看護師の転職のコツとおすすめの職場また、20代〜30代の若い看護師が多い職場よりも、同世代が多い職場がおすすめです。育児や介護のことなど、共通の話題があると職場にもなじみやすく、働きやすさにもつながります。
40代看護師の転職はナースステップへ相談を
医療技術・現場への柔軟性や求める労働条件、ブランクなどの観点から、「40代の看護師が簡単に転職できる」とは一概に言うことはできません。しかし同時に、「40代の看護師は転職が難しい」と、断定できないことも事実です。
看護師の需要は年々増加傾向にあり、中でも経験やスキルを積んだ40代看護師は現代社会にとって重要な人材。そして、年齢を問わずさまざまな選択肢が広がっています。但し、20代での転職に比べて把握しなければならない情報や条件が明らかに多いため、一人での転職活動はリスクが大きいと言えます。
そこで利用をおすすめするのが、看護師専門の転職サイト。ナースステップでは、医療業界専任のコンサルタントが転職に伴う条件などをお伺いした上で、希望に合致した求人を多数紹介。また、履歴書の添削や、面接日程の調整、給与交渉の代行など、さまざまな面から転職をサポートしています。これを機会に、ぜひナースステップへご相談ください。