整形外科で働く看護師の仕事内容とは?気になる給料相場も紹介
記事掲載日:2021/04/23
打ち身や骨折、腰痛などの患者が訪れる整形外科。身体的な痛みを感じた際、最初に診てもらう診療科という側面があるため、多くの患者が訪れます。整形外科で働いたことのない看護師にとって、「どのような仕事内容なのか」「お給料はいくらなのか」といった疑問は気になるところではないでしょうか。
今回は、整形外科で働く看護師にスポットを当て、仕事内容や働くメリット、そして気になる給料相場を紹介します。
- 整形外科とは
- 整形外科で働く看護師の仕事内容
- 整形外科の看護師として働く4つのメリット
- 整形外科の看護師として働く際の3つの注意点
- 整形外科が向いているのは、どんな看護師?
- 整形外科で働く看護師の給料相場
整形外科とは
整形外科が対象とする治療対象は、骨や関節などの骨格系、そして骨格系を取り囲んでいる筋肉や神経系などの運動器です。整形外科があつかう代表的な疾患は、骨折や腰痛、神経痛、そしてリウマチなどとなっています。
対象は小さな子供から高齢者まで幅広く、また診療領域も体全体におよぶのが特徴です。大きな病院の整形外科では、肩関節や手の外科、足の外科、骨粗鬆症、スポーツ、股関節など、さらに専門外来を設けているところも少なくありません。
整形外科で働く看護師の仕事内容
続いては、整形外科で働く看護師の仕事内容を見ていきましょう。
日常生活の介助
ケガや疾患などでADL(日常生活動作)に制限がある患者に対して、日常的な介助を行います。食事や着替え、入浴、トイレ、就寝中の体位変換など、患者のADLに合わせて必要なサポートを行わなければいけません。
ギプス装着やテーピングなどの処置
骨折した箇所や脱臼した箇所などに、必要な処置を行います。
リハビリの指導と心理的サポート
リハビリを必要とする患者に対して、リハビリの指導も看護師の大切な仕事の一つです。医師や理学療法士、作業療法士などのリハビリスタッフから出された指示に基づいて、看護師も日常生活の中で的確なリハビリができるように関わります。
また、不安を感じる患者に対しては、前向きになれるような心理的サポートも求められるでしょう。
整形外科の看護師として働く4つのメリット
整形外科で働くメリットを、全部で4つ紹介します。
患者の回復を実感しやすい
整形外科であつかう疾患の多くはレントゲンで確認がしやすく、さらに受傷から回復までのステップが比較的明確となっています。そのため、回復の状況をステップごとに理解し、自分が行った看護の成果を感じやすいです。
医学の基本である「解剖生理学」の知識を得られる
解剖生理学とは、人体の構造と機能のこと。医学の基本であり、どのような診療科でも役立つ知識です。整形外科で働いていると、骨や筋肉、神経といった解剖生理学についての知識が自然と身につきます。
幅広い年代の看護を経験できる
整形外科には小さい子供から高齢者まで、あらゆる世代の患者が集まります。同じ疾患やケガでも、患者の年齢層によって治療法や関わり方は異なってくるもの。相手の年齢に合わせた対応が求められます。
幅広い年代の看護を経験することで、看護師としてのレベルアップが期待できるでしょう。
患者の死に直面することが少ない
患者の死は、多くの看護師にとって大きなストレスとなるもの。何度その場面に直面しても、慣れることはありません。しかし、整形外科では命の危険につながる疾患やケガを負った患者はほとんどいないため、患者の死に直面する機会は限りなく少ないでしょう。
整形外科の看護師として働く際の3つの注意点
これから整形外科で働く場合、いくつかの注意点があります。
患者の入れ替わりが激しく、忙しい
整形外科で手術などの初期施術を行ったあと、多くの患者はリハビリ専門病棟へ移ったり、自宅療養になったりします。そのため、患者の入れ替わりが激しく、新規患者の対応で忙しくなる傾向があると理解しておきましょう。
一人ひとりの患者と時間をかけて関わりにくいのも、人によってはデメリットと感じるかもしれません。
ナースコールが多い
入院病棟勤務の場合、入院患者のADLが下がっていればいるほどナースコールは頻繁に鳴ります。夜勤中も落ち着いて席に座っている暇はないかもしれません。
腰痛を引き起こす可能性がある
ADLが下がっている患者の身体介助をするため、どうしても腰に負担がかかります。トイレ介助や体位変換、着替え、ベッドから車いすへのトランスなど、腰に負担がかかる機会はたくさんあるでしょう。
整形外科が向いているのは、どんな看護師?
整形外科勤務が向いている看護師は次のような人です。
力仕事や体力に自信がある
必然的に患者の身体介助が多くなるため、力仕事や体力に自信のある人が向いているといえるでしょう。
テキパキと仕事をこなすことが好き
テキパキと仕事をこなせる人も向いています。どちらかというと、明るくて体育会系のようなスタッフが集まるため、どんどん仕事を進めていけるような人が合っています。
幅広い年代の人と接することが得意
幅広い年代の患者と接することが多いため、コミュニケーション能力に長け、誰とでも上手に関われるような人が向いています。
整形外科で働く看護師の給料相場
ナースステップで整形外科で働く看護師の給料を調査(2021年3月時点)したところ、正職員で月収25万円~35万円ほどが相場となっていました。
経験年数や能力などによって差はあります。また、夜勤がある場合はさらに夜勤手当が加算されるでしょう。
まとめ
整形外科で働く看護師の業務は、患者の日常生活の介助やギプス装着、テーピングなどの処置、リハビリ指導、心理的サポートなどです。他の診療科と比べて、患者の回復を実感しやすく、また、患者の死に直面する機会が少ないことは大きなメリットといえるでしょう。
身体介助をはじめとする力仕事が求められるため、体力に自信がある人に向いています。大きな病院ではさらに専門外来に分かれている場合が多いことから、転職を希望する場合はどの領域を希望するのかを整理しておくと良いですね。