NICUの看護師はどんな人に向いている?仕事内容や働くメリット・注意点を解説
記事掲載日:2021/02/19
NICUとは新生児特定集中治療室のことです。テレビドラマでも取り上げられたことから興味を持ち、「NICUで働きたい」と思うようになった看護師も多いのではないでしょうか。
今回は、NICUで働く看護師の仕事内容をメリットや注意点、そしてどのような人に向いているのかを解説します。
- NICUってどんなところ?
- NICUで働く看護師の仕事内容
- NICUの看護師として働くメリット
- NICUの看護師として働く際の注意点
- NICUの看護師が向いているのはどんな人?
- NICUで働く看護師の給料相場
NICUってどんなところ?
NICUとは英語でNeonatal Intensive Care Unitのこと。日本語では新生児特定集中治療室と呼ばれており、早産や超低出生体重児、そして呼吸器や心臓に関する先天性の障害がある生まれたばかりの赤ちゃんに対して集中的な治療・ケアを行う場所のことです。
24時間体制で治療が行われ、医師は常駐しなければいけません。また、赤ちゃん3人に対して看護師は1人の配置が必須など、手厚いケアを必要とする診療科です。
NICUとICUの違い
よくNICUと混同されやすいのがICUです。ICUは集中治療室のことで、命の危険がある急性期の重症患者に対して集中的な治療を行います。多くの場合で診療科の枠を超えた治療を、24時間体制で行っているのが特徴です。
一方、NICUは新生児用に特化された集中治療室です。
NICUで働く看護師の仕事内容
実際にNICUで働いている看護師は、どのような仕事をするのでしょうか。主な仕事内容を全部で3つ見ていきましょう。
赤ちゃんのバイタルチェックと処置の補助
NICUで働く看護師の仕事で大きな割合を占めているのが、赤ちゃんのバイタルチェックです。NICUにいる赤ちゃんはちょっとした処置の遅れが命に関わるため、一時も目が離せません。
常にモニターや赤ちゃんの様子を観察し、少しでも異変を感じたら医師に報告をします。医師が処置をする場合は、補助をするのも看護師の役割です。
赤ちゃんの基本的なお世話
2つ目は赤ちゃんの世話です。ミルクを与えたり清拭をしたり、オムツを交換したりします。
家族の精神的なケア
生まれてすぐの赤ちゃんがNICUで治療を受けることに、大きなショックや不安を抱えている家族は少なくありません。家族が抱えるつらい気持ちや葛藤を受容し、ショックや不安を軽減させる精神的なケアも求められます。
NICUの看護師として働くメリット
他の診療科ではなく、NICUで働くメリットはどこにあるのでしょうか。主なメリットを2つ紹介します。
NICUでの看護活動は、大きなやりがいを感じられる
まずは大きなやりがいを感じられることです。小さく生まれて命のリスクを抱える赤ちゃんが無事に成長したり、回復したりする姿を見守れるのはNICUで働く看護師ならではのことでしょう。
当初はショックや不安のあった家族が、元気になっていく赤ちゃんの姿を見て笑顔になっていく姿を見られるのも大きなやりがいです。
ルーティンワーク中心で仕事が覚えやすい
ルーティンワークが中心のため、仕事が比較的覚えやすいのも大きなメリットです。
成人の患者の場合はそれぞれに個別性があることから、一人ひとりに合わせた対応が求められます。反対に、生まれたばかりの赤ちゃんは成人の患者ほど個別性はありません。
そのため、ルーティンワークで進められる仕事も多く、仕事内容自体は覚えやすいといえるでしょう。
NICUの看護師として働く際の注意点
看護師にとってさまざまな魅力のあるNICUですが、働く際にはいくつかの注意点があります。
新生児を対象とした、専門的な看護が必要になる
NICUの対象は新生児です。そのため、専門的な看護が必要です。生まれたばかりの赤ちゃんは急変しやすいことから、一つひとつの処置を慎重に行わなければいけません。
成人の患者では問題のない薬量誤差でも赤ちゃんには大きな影響をおよぼすこと、そして小量の採血でも貧血を引き起こす可能性があることなど、新生児に特化した専門的な看護知識や技術が求められます。
精神的負担が大きい
精神的な負担が大きいことも理解しておきましょう。前述したようにちょっとしたバイタル変化やミスが命の危険につながることから、常に高い緊張感を持って仕事をしなければいけません。
そして、ショックや不安でいっぱいの家族のサポートも想像以上に大変なことです。
また、時には赤ちゃんの死に直面することもあるでしょう。少し前まで元気だった赤ちゃんが亡くなるのは、一生懸命看護をしてきた看護師にとってつらいことです。
多くのNICUが1日中薄暗い
多くのNICUは1日中薄暗い環境です。子宮の環境に近づけることが目的ですが、手元が見えにくく、視力が低下する可能性もあります。
NICUの看護師が向いているのはどんな人?
先述したメリットと注意点からNICUが向いている看護師は以下のような人といえますね。
・小さな変化にもすぐ気づける観察力に優れている人
・精神的に強い人
・体力がある人
・相手の話を上手に聞ける人
NICUで働く看護師の給料相場
最後にNICUで働く看護師の給料相場を紹介します。
当サイトが求人情報を調査したところ、基本給は20万~25万円ほどでした。さらに夜勤手当や特殊業務手当、資格手当、残業手当などが加算されます。
特に夜勤は1ヶ月10回ほどと他の診療科と比べると多いことから、夜勤手当の額は高くなるでしょう。
まとめ
NICUは新生児特定集中治療室のことで、新生児に対して集中的な治療やケアを行う場所を指します。専門的な看護スキルや精神的な強さなどが求められますが、小さな赤ちゃんの成長を見守れることはNICUで働く看護師ならではのことです。興味がある人はNICUでのキャリアプランを考えてみてはいかがでしょうか。