ICU(集中治療室)の看護師はどんな人に向いている?仕事内容や働くメリット・注意点を解説
記事掲載日:2021/01/20
テレビドラマや映画などの影響から、ICU(集中治療室)で働きたいと思っている看護師は少なくありません。やりがいのある一方、仕事内容はハードなイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。
今回はICUで働く看護師を取り上げ、仕事内容や働くメリット・注意点、そしてどのような人が向いているのかについて解説します。
ICUってどんなところ?
ICUとはIntensive Care Unitの略称で、集中治療室という意味です。重篤で命の危険がある患者を受け入れて、24時間体制で状態管理を行います。
数多くの最新医療機器や検査設備があり、受け入れ患者の診療科目は問いません。
ICUとNICUの違い
ICUとよく混同されやすいのが、NICUです。NICUはNeonatal Intensive Care Unitの略称で新生児集中治療室のことです。
超低出生体重児など、同様に命の危険がある新生児を対象としています。
疾患に対する治療の他にミルクをあげたり、おむつを交換したりなど、日常的なお世話も行うのが特徴です。
ICUで働く看護師の仕事内容
続いてはICUで働く看護師の仕事内容についてチェックしていきましょう。
受け入れ患者の状態管理
まずは受け入れた患者の状態管理です。命に関わる重篤な状態にある患者が多いため、状態管理は最も大切な業務のひとつです。
バイタルサインや各種モニター、そして患者の様子などから異常がないかを徹底管理します。
異変を見つけたら迅速に医師へ報告をしなければいけません。
排泄や清拭、整容などのケア
重篤で身の回りのことを自分ではできない患者が多いため、排泄や清拭、整容などのケアも看護師が行う仕事のひとつです。
患者の家族への状態説明
ICUに入っている患者の家族の多くは、患者の状態が分からずに混乱していることも少なくありません。家族に対して状態を説明したり、不安な気持ちを受け止めたりすることも求められます。
ICUの看護師として働くメリット
他の診療科ではなく、ICUの看護師として働くことのメリットはどのようなものなのでしょうか。
主なメリットを2つ紹介します。
ICUでの看護活動は、大きなやりがいを感じられる
ひとつ目はICUでの看護活動自体に、大きなやりがいを感じられることです。
状態が安定しない患者が多いことから、看護師のちょっとした気づきで事態が好転することは少なくありません。
また他の診療科と比べると、看護師にある程度の判断と処置が任される傾向があることから、大きな責任とやりがいを感じる人もたくさんいます。
看護師としての大幅なスキルアップが望める
2つ目は看護師としての大幅なスキルアップが望めることです。先で述べたように、ICUでは診療科を問わない対応が求められます。
内科や外科などの領域を問わない重篤な患者が対象となるため、必然的に看護師が学ぶべき知識や技術は膨大なものです。
たくさんの知識や技術の習得は大変ですが、その分のスキルアップは大きいものとなるでしょう。
ICUの看護師として働く際の注意点
さまざまなメリットがあるICUの看護師ですが、働く際はいくつか注意しておくべきことがあります。
覚えるべき知識が多く、勉強が大変
前述したように、診療科を問わない患者を受け入れるため、覚えるべき知識が多く、勉強は大変です。
いま受け入れている患者の疾患や、予定されている検査や手術のことを勉強するなど、目の前にあることからコツコツと勉強していくと良いでしょう。
精神的な負担が大きい
2つ目は精神的な負担が大きいことです。
ひとつ間違えると患者の命に直結するケースが多いため、現場はピリピリとした緊張状態です。時には罵声も飛ばされる環境下で、精神的な苦労を感じる看護師は少なくありません。
患者とコミュニケーションをとる機会が少ない
ICUの患者は人工呼吸器を付けている人が多いため、なかなか会話をする機会が少ないかもしれません。
患者との言葉を通してのコミュニケーションを大切にしたい人にとっては、もの足りないかもしれませんね。
ICUの看護師が向いているのはどんな人?
ICUで働く看護師は、どのような人が向いているのでしょうか。特に次のような人が向いているといえるでしょう。
・ささいな変化にも気づける観察能力に長けている人
・新しい知識や技術の習得に熱心な人
・オンとオフの切り替えを上手にできる人
・協調性が高く、チームワークを大切にできる人
ICUで働く看護師の給料相場
最後にICUで働く看護師の給料相場を紹介します。
ナースステップで調査(2020年12月時点)したところ正社員採用で月給30万円~、年収換算で430万円~となっていました。
年齢や経験、能力などに応じて具体的な給与が決まる医療機関がほとんどです。
まとめ
ICUは診療科目を問わずに重篤で命の危険がある患者を受け入れて、24時間体制で状態管理を行う場所です。
病状が安定しない患者が多いため、働く看護師にはきめ細かい状態管理や観察が求められます。
大変な部分も多い反面、ICUならではのやりがいや看護師としての大きなスキルアップなど、得られるメリットもたくさんあることでしょう。