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心療内科の看護師はどんな人に向いている?仕事内容や給料相場も解説

記事掲載日:2021/05/31

心療内科の看護師はどんな人に向いている?仕事内容や給料相場も解説

ストレス社会といわれている現代において、心療内科の需要は高まっています。現在看護師として働いている人のなかには、「心療内科で勤務をしてみたい」と思っている人もいるのではないでしょうか。

今回は心療内科で働く看護師に焦点をあて、仕事内容や向いている人、そして気になる給料相場を解説します。

心療内科とは?

心療内科はストレスが原因となって、身体にあらわれた症状を治療対象とした診療科です。強い動悸や頭痛・気管支喘息・胃痛・腹痛・下痢など、身体にあらわれる症状は多岐にわたります。

身体の不調から最初に内科を受診したものの、身体面にとくに異常がないことから心療内科を受診するケースも少なくありません。日本では1996年に国が心療内科を標榜科として承認してから、心療内科を掲げる医療機関が増えてきました。

心療内科と精神科の違い

心療内科と似ているのが精神科です。前述したように、心療内科が身体にあらわれた症状を扱うのに対して、精神科は心の症状や疾患を治療対象とします。うつ病や統合失調症、解離性障害などが代表的な疾患として挙げられるでしょう。

ただし、両診療科のボーダーラインは厳密ではなく、実際には心療内科でもうつ病や統合失調症などの治療を行っているところもめずらしくありません。

心療内科で働く看護師の仕事内容

心療内科で働く看護師の仕事内容は、ほかの診療科の仕事内容と大きく変わりはありません。医師の診察や検査のサポート、患者の案内や介助などです。

また、患者から薬剤治療や心理療法などの説明を求められることもあるでしょう。

心療内科の看護師として働くメリット

ほかの診療科ではなく、心療内科の看護師として働くメリットはどこにあるのでしょうか。主なメリットについて、3つご紹介します。

夜勤がないため、プライベートと両立しやすい

まずは夜勤がないため、プライベートと仕事を両立しやすいことです。心療内科は基本的に病院の外来や、クリニックにあります。そのため夜勤をする必要がありません。

規則正しい生活を送れることから、メリハリがつき、自分の時間も大切にできるでしょう。ただし、夜間診察を行っている心療内科の場合は、夜勤を求められるかもしれません。

急患が少ないため、落ち着いて看護できる

心療内科は緊急を要する患者が少ないため、ほかの診療科と比べて落ち着いて看護できるメリットもあります。一人ひとりの患者とじっくり向き合えるでしょう。

メンタルケアに関する知識が身につく

最後のメリットは、メンタルケアに関する知識が身につくことです。仕事をしていくなかで、心の病気やメンタルケアについての知識は、自然と身についていくでしょう。

誰でも心の病気にかかるといわれている現代社会で、メンタルケアに関する知識をもっていることは、プライベートでも生かせるはずです。

心療内科の看護師として働く際の注意点

心療内科で働くとたくさんメリットがありますが、実際に働く際にはいくつかの注意点があります。ここでは注意点を3つご紹介します。

看護師としてのスキルアップが難しい

心療内科で働くと、看護師としてのスキルアップが難しいといわれています。ほかの診療科と比べて注射や点滴などの、直接的な処置をする頻度が少ないためです。医療技術面のスキルアップは難しいことを理解しておきましょう。

残業が発生することもある

残業が発生することもあります。医師による診察やカウンセリングなどが長くなると、勤務時間内に仕事が終わらないかもしれません。

患者のネガティブ思考にストレスを感じることもある

患者のネガティブ思考に、ストレスを感じる可能性があることです。心にストレスを抱えている患者が多いため、暗くてネガティブな話を聞く機会が必然的に多くなります。

毎日のようにネガティブな話を聞き続けていると、人によっては大きなストレスを感じるかもしれませんね。

心療内科が向いているのは、どんな看護師?

つづいては、心療内科が向いている看護師像をチェックしていきましょう。

長期的に患者と関わり、じっくり看護をしていきたい人

心療内科における治療は、長期にわたることが少なくありません。そのため、一人ひとりの患者とじっくり関わり、長期にわたって看護をしていきたい人にピッタリでしょう。

場の空気を読むことが得意な人

場の空気を読むことが得意な人も向いていますね。とくに患者との信頼関係の構築が求められる診療科であるため、場の空気を上手に読みながらコミュニケーションを取れる人は重宝されます。

患者に感情移入しすぎない人

患者に感情移入しすぎない人です。働く際の注意点でも述べたように、患者のなかにはネガティブな思考を抱いている人も少なくありません。あまりにも感情移入をしてしまうと、看護師の精神的な負担も大きくなってしまうでしょう。適度に距離感をもつことも大切です。

心療内科で働く看護師の給料相場

これから心療内科で働こうと思っている人にとって気になるのが、給料相場ではないでしょうか。

ナースステップが調査(2021年4月時点)したところ、正社員求人で月収24万円~32万円ほどでした。夜勤なしで日勤のみの場合です。夜勤がある求人の場合は夜勤手当が加算されるため、さらに月収は上がるでしょう。

まとめ

心療内科は心のストレスなどが原因となって、身体にあらわれたさまざまな症状を治療対象とする診療科です。

看護師の仕事内容はほかの診療科と大きく変わりませんが、薬剤治療や心理療法の説明なども求められると考えておきましょう。メンタルケアに関する知識はプライベートだけでなく、ほかの診療科にうつったときにも生かせるはずです。

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