男性看護師の「需要」について・重宝される診療科目や医療施設とは?
記事掲載日:2022/01/07
昨今、男性看護師に対する求人の数が増加傾向にあります。そこでこの記事では、看護業界における男性看護師の「需要』に迫り、男性看護師が重宝される診療科目や医療施設などに言及。また、男性看護師が求められる理由や、将来性などについて紐解きます。
男性看護師は「需要」が大きい?
結論から述べると、男性看護師は現在、看護業界で"需要が大きい"言われています。もちろん、男女雇用機会均等法により男性看護師"のみ"を募集した求人票はないため、女性看護師の求人と比較した具体的な定量データはありません。しかし、さまざまなデータや看護業界の内情を見聞きすると、男性看護師の需要が増加傾向にあることがわかります。
実際、厚生労働省が公表しているデータを観察すると、男性看護師の数が急速に増加し、積極採用されていることが明らかになっています。
厚労省の「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によれば、2018年末に就業していた看護師は121万8,606人で、男女別の構成割合は男性看護師が7.8%(9万5,155人)、そして女性看護師が92.8%(112万3,451人)でした。
しかし、これだけを見ると男性看護師の需要が小さいと感じるかもしれませんが、2016年の数値と比べ、男性看護師の就業者は1万962人増加。また、10年前の08年データと比較すると、5万271人も増えており、"男性看護師への需要"が増えていることがうかがえます。
しかしなぜ、男性看護師の需要が高まっているのでしょうか。これには、男性という性別ならではの理由や、医療現場に特有の事情などが隠されています。では、次項より詳しい解説を進めます。
▼参考資料はコチラ
厚労省「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
男性看護師が求められる理由について
男性看護師への需要が高まる原因には、様々な要因があげられます。これは言いかえると、女性看護師と比較した男性看護師のアドバンテージ。つまり、男性看護師としてのメリットを考えることでもあります。では、具体的に説明していきましょう。
力仕事も多く、体力的に有利な男性が好まれる
実際、看護の現場では、身体に不自由な患者さまを移動させるなど、様々な体力仕事が発生します。したがって、体力的にアドバンテージのある男性看護師が重宝されるというわけです。もちろん、診療科目や医療施設にもよりますが、こうした体力面の優位性を考慮する採用元は、少なくありません(体力面を考慮する具体的な診療科目・施設については後述します)。
男性患者さまへのケアでは、同性看護師が重宝されることも
患者さま一人ひとりによって"思い"は変わりますが、男性患者さまのなかには、同性看護師による対応を求める人が一定数存在します。たとえば、センシティブな話題に関する相談については、女性看護師ではなく、"男性の看護師だからこそできること"がたくさんあります。また、肉体的な接触があるケアに至っても、女性ではなく男性の方が、安心して受けられると感じる人も多いです。
出産や子育てによる休職や休暇が比較的少ない
看護業界に限らず昨今では、男性による育児休暇の取得や休職が社会全体で増えてきました。しかし、女性が中心に子育てを行うという現実もまだまだみられます。採用側の考えも次第に変わってきましたが、子育てによる女性看護師の退職や育児休暇は、看護師の数が不足している医療施設では看護師一人の退職・休職が与えるインパクトも大きく、当然採用側は補填するための方法を考えなければなりません。
男性看護師が重宝される診療科目や医療施設とは
ここでは、男性看護師が重宝される診療科目や医療施設などをピックアップ。また、比較的男性看護師が多い職場について紹介・解説していきます。
精神科
患者による暴力や暴言、セクシャル・ハラスメントなどが比較的起こりやすい精神科病棟では、時に腕力で患者を静止しなければならないケースが発生します。とくに、男性の患者さまは力が強いこともあり、女性看護師の力ではどうしても対処ができないことも。したがって、女性看護師よりも男性看護師を求める例が、必然的に多くなります。実際、精神科病棟は、ほかの病棟や診療科目に比べ、男性看護師の割合が大きくなっています。
男性専門外来
医療業界には女性専門のクリニックがあるのと同時に、AGA(男性型脱毛症)やED(勃起不全)、包茎といった相談など、男性特有の悩みを治療する医療施設があります。こうしたクリニックでは、女性の看護師よりも同性のスタッフの方が患者さまにとって都合が良く、男性看護師が非常に重宝されます。
手術室
比較的、施術の時間が長い傾向がある手術室などの職場は、医療スキルに加え、スタッフの体力を必要とします。実際、男性看護師が重宝される職場の一つとして、医療業界の間でも認知されています。手術室では患者さまとのコミュニケーションはほとんどなく、女性の患者さまが男性看護師による施術を拒否するケースはあまりみられません。これにより、男性看護師が働く職場として人気があることも事実です。
泌尿器科・性病科
性器に関する病気を扱う泌尿器科では、男性看護師を積極採用する動きも出ているようです。これは、男性専門外来のロジックと同様。男性患者さまは男性のスタッフ、女性患者さまは女性のスタッフといったように、性別ごとに対応できるスタッフが求められるからです。とくに、性病を扱うクリニックなどでは、男性の患者さまが女性スタッフに羞恥心を感じたり、男性スタッフを求めたりするケースも多々みられます。したがって泌尿器科や性病科では、一定数の男性看護師が重宝されるというわけです。
まとめ
これまで述べたように、男性看護師に対する需要は近年、右肩上がりになっています。また、コロナ禍で医療従事者が重宝されていることと、医療業界全体で看護師をはじめとする医療従事者が圧倒的に不足していることなども鑑みると、男性看護師の将来性は非常に明るいものであると結論付けることができるでしょう。もちろん就職のみではなく、キャリアや給与アップが望めることは言うまでもありません。
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