オペ室の看護師の役割とは?メリット・デメリットや給与事情について解説
記事掲載日:2020/08/28
病院勤務の看護師と聞くと一般的には、外来や入院病棟で闘病中の方を看護する仕事をイメージすると思います。しかし、実際にはさまざまな看護職があり、たとえばオペ室、つまり手術室に所属している看護師もいます。オペ室勤務の看護師は、どのような役割を担っているのでしょうか。
今回は、オペ室看護師の役割とメリット・デメリット、そして気になる給与事情についてもご紹介します。
オペ室の看護師の役割は大きく分けて2つ
オペ室看護師とはその名前のとおり、主に手術室で働く看護師のことです。内科や外科などの特定の科に所属しているのではなく、手術室所属となっていることがほとんどです。
役割は「器械出し」と、「外回り」の2つに分けられます。
1:器械出し(直接介助)
主な役割の一つ目は「器械出し」です。「直接介助」とも呼ばれます。
テレビや映画の手術シーンで、執刀医にメスなどの手術器械を渡す姿を見たことはありませんか?手術中に執刀医の指示に従って、必要な手術器械を手渡すのが器械出しです。器械出しにはオペ中だけでなく、オペ前に手術で必要となる器械の準備も含まれます。
器械出しが上手くいかないと手術時間に影響し、場合によっては患者の命にも関わります。スムーズにオペが進むように手術の流れを読み、次に医師からどの器械を渡すべきかを予測しなければなりません。
2:外回り(間接介助)
2つ目の役割は「外回り」です。「間接介助」とも呼ばれます。
器械出し作業以外の、手術室内のサポートが主な業務です。オペで必要となる輸血用製剤や各種の薬品の準備、患者のバイタルチェック、記録の記入、その他環境整備など、オペを周りから支えます。また手術前に患者へ注意事項の説明をしたり、手術後は病棟看護師への申し送りをしたりするのも仕事の一つです。
オペ室勤務の看護師は、手術時間以外は手術室の準備をしています。オペを受ける患者をスムーズに受け入れられるように、ベッドや医療機器の調整を行うのです。
オペ室の看護師になるメリット
一般的な看護師のイメージとは異なる役割を担うオペ室の看護師。他の看護師と比べてどのようなメリットがあるのかを、3つみていきましょう。
手術をやり遂げた達成感をチームで共有できる
手術は医師と看護師、そして臨床工学技士などのチームで対応します。個々の専門家がその知識を生かして一つのオペを協力して行うため、手術が成功した時の達成感は言葉では表せません。患者と一対一で接することが多い病棟と比べて、チーム全体で病気に立ち向かうというやりがいがあります。
土日休みであることが多い
2つ目は土日休みが多いことです。外来や病棟勤務の場合は土日関係なしのシフト制となることが多いのですが、オペ室の場合は土日休みがほとんどです。休みが決まっているので予定を立てやすく、プライベートの時間も大切にできます。
残業や夜勤が少ない
手術はより集中力を要する作業のため、多くの病院ではオペ室勤務の看護師に定時退勤をすすめています。仮に退勤時間後に終了するオペがある場合は、夜勤の看護師に引き継ぐのが一般的です。
夜勤はゼロではないものの、病棟勤務の看護師と比べると回数は少なくなっています。残業や夜勤が少ないですので、ワークライフバランスのとりやすい生活を送れるでしょう。
オペ室の看護師になるデメリット
続いては、オペ室の看護師になるデメリットをみていきましょう。
覚えることが多い
外来や病棟勤務と比べて、覚えることが多いとされています。
手術と一口に言っても、術式や疾患の容態はさまざまです。それぞれ必要となる器械や手術の流れ、注意点などは当然異なります。覚えることが多岐にわたるため、暗記が苦手な人にはデメリットとなるかもしれませんね。
仕事の緊張感が高く、ストレスを感じることが多い
手術はダイレクトに患者の生命に関わる、責任重大な場面です。器械を間違えて渡してしまった、バイタル異常に気が付けなかったなどの些細なミスが、重大な事故につながる可能性があります。手術中の緊張感は高く、ストレスに晒されている看護師は少なくありません。
オンコール担当の日は休日でも気が抜けない
オンコールとは待機とも呼ばれています。基本的には出勤していなくていいのですが、緊急対応などで呼び出しがあった場合は、駆け付けなければなりません。いつ呼び出しがかかるか分からないため、たとえ休日であっても気が休まらない看護師が多いです。
患者さんとのコミュニケーションが少ない
手術中は患者に麻酔がかかっているため、言葉でのコミュニケーションをとる機会は少なくなります。患者とのやり取りや関わり合いを得意としている看護師は、物足りないと思うでしょう。コミュニケーションが苦手な人には、逆にメリットになる部分です。
オペ室の看護師の給与事情
最後に当サイト調査の、東京23区のオペ室看護師の給与を紹介します。
月給で28万~36万円、年収にすると350万~600万円ほどが相場です。日勤のみなのか、夜勤があるのか、またオンコール対応があるのかどうかなどによっても変動します。非常勤やパートの場合は、時給1,550円~1,850円ほどが平均です(2020.3.18ナースステップ調べ)。この金額は地方の場合、もう少し安くなる傾向にあります。
まとめ
オペ室で働く看護師は、土日休みや残業・夜勤が少なく、プライベートの時間を大切にしたい人におすすめです。ただし覚えることが多く、手術中は緊張の連続で高いストレスに晒されます。給与は夜勤やオンコール対応の有無などで金額が異なりますので、事前に確認をしておきましょう。