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産業看護師とはどんな仕事?気になる仕事内容や年収を解説

記事掲載日:2020/11/06

産業看護師とはどんな仕事?気になる仕事内容や年収を解説

病院やクリニックなどの医療機関ではなく、企業で働く看護師を産業看護師と呼びます。企業にとっても社員の健康管理に関心が高まっている近年、注目を集めている職業です。

産業看護師には、医療機関で働く病棟看護師とは違った仕事内容や働くうえでのメリット・デメリットがあります。今回は産業看護師が具体的にどのような仕事をしているのか、メリットや注意点、年収について解説します。

産業看護師とは? 病棟看護師との違い

産業看護師は勤務先によって、企業看護師とも呼ばれます。主に大企業などで設置されている健康管理室や医務室などに所属し、主に社員の健康管理や各種相談、健康診断に関わる作業などが主な業務です。企業によっては、総務部や人事部に所属する場合もあります。

産業看護師が従事する「産業看護」とは、事業者が労働者と協力して組織的に行う、個人・集団・組織への健康支援活動を指します。その目的は病気の予防や健康と労働の両立であり、医療機関で働く病棟看護師とは違い、傷の手当てや急患の対応などはほとんどありません。

▼参考資料はコチラ
日本産業衛生学会 産業看護部会「産業看護の定義について」

産業看護師の仕事内容

続いては、産業看護師の主な仕事内容を見ていきましょう。

相談や指導などを通した健康管理

まずは健康管理業務です。同じ企業に所属している社員から健康に関する相談を受けたり、健康状態に合わせた各種指導を行ったりします。

後述する健康診断後のフォローも含まれており、一人ひとりが理解しやすいように丁寧な言葉で説明・指導をしなければいけません。

健康診断に関わる一連の作業

2つ目は健康診断に関わる一連の作業です。健康診断がスムーズに行われるように企画から実施、そして診断結果を元にした社員への健康指導を行います。

社員数が多いと一人ひとりの健康診断スケジュールを立てる手間もかかるため、計画的な業務遂行力が必要です。

メンタルヘルスケア

仕事のストレスや疲れから精神疾患の罹患や自殺を防ぐために、メンタルヘルスケアも行います。

社員からの相談に乗って解決策をアドバイスするだけでなく、看護師自らが気になる社員を気にかけて積極的に介入することも大切です。

体調不良者やケガをした人の処置

最後は体調不良者やケガをした人の処置です。仕事中に体調を崩した人や、ケガをしてしまった人に対して手当てなどの処置を行います。

また工場などによっては業務中の大きなケガが想定されるため、あらかじめ起こりうる事故を予測して、緊急時に対応できるように準備をしておかなければいけません。

産業看護師として働くメリット4つ

産業看護師として働くメリットは、主に次の4つです。

1. 夜勤がなく土日祝休みの場合が多い

産業看護師は、基本的には日勤のみで、土日祝日休みの場合が多いです。

一般企業の社員として働くため夜勤がないうえに、カレンダー通りの休日を採用している会社であれば、土日祝日休みとなるでしょう。

一方、入院病棟がある医療機関の場合は、夜勤を含む変則勤務がほとんどです。産業看護師は、生活リズムを崩さずに働きたい人にピッタリなのです。

2. デスクワークが多く体力的負担が少ない

2つ目は体力的な負担が少ないことです。医療機関では患者対応で一日中立ちっぱなし、動きっぱなしとなることが多く、仕事が終わった後はヘトヘトになっていることも少なくないでしょう。特に体位交換や排泄介助などの重労働も日常的に行います。
さらに変則勤務となると、生活リズムも大きく狂って、体力的な負担が大きくかかります。

前述したように、産業看護師は処置をする機会は多くありません。基本的にデスクワーク中心となるため、体力面での負担は少なく済みます。

3. 医療ミスなどの精神的負担が少ない

精神的負担が少ないことも、産業看護師のメリットといえるでしょう。医療機関と違って直接的な処置をすることが少ないため、命に関わるような医療ミスを起こす心配がほとんどありません。

病棟看護師に比べて、比較的リラックスした気持ちで日々の業務に向かえるでしょう。

4. PCスキルやビジネスマナーが身につく

先述の通り、産業看護師はデスクワークが多く、普段はPCを使いながら他の社員とコミュニケーションを取ることになります。そのため、基本的なビジネスマナーはもちろん、PCのスキルが身につくこともメリットです。

病棟看護師の場合、関わる人が医療関係者に限定され、コミュニティが狭くなってしまいがちです。一方で産業看護師は看護師以外の職種の人と関わる機会が多く、仕事や社会に対する視野を広くもてることも、ご自身にとって良い経験となるでしょう。

産業看護師として働く際の注意点3つ

いろいろとメリットが多い産業看護師の仕事ですが、もちろんデメリットも存在します。これから産業看護師として働きたいと考えている方は、以下の点に注意しましょう。

1. そもそも求人数が少ない

1つ目は、そもそも産業看護師の求人数が少ないことです。産業看護師を雇用している企業自体が多くないこと、雇用していたとしても1社あたりの雇用数が少ないこと、さらに人気が高いため退職者がなかなか出ないことなどが理由となっています。

産業看護師は非公開求人が多いため、あらかじめ看護師専門の転職サイトに登録をして、求人が出るのを待ちましょう。

2. 看護師としてのスキルアップが難しい

2つ目は病棟看護師としてのスキルアップが難しいことです。産業看護師は医療処置や看護業務を行うチャンスが少ないまたはほとんどないため、そういった分野でのスキルアップは難しいでしょう。

また、長く医療現場に従事していない場合、病棟看護師としてのスキルが低下する可能性もあるので、医療機関に復帰しにくいといったデメリットもあります。

3. 同僚など相談相手が少ない

3つ目は、同僚や先輩など仕事上相談できる相手が少ないことです。先述の通り、産業看護師は1企業につき1〜2人と人数がとても少なく、同僚がいないことも珍しくありません。 

仕事でわからない点や困ったことがあっても、同じ看護師として相談できる相手があまりいないことはデメリットとして認識しておくと良いでしょう。

産業看護師の年収はどのくらい?

これから産業看護師を目指す人にとって気になるのが、給料事情ではないでしょうか。

当サイトで公開中の産業看護師の求人では、年収400〜500万円程度の募集が多くなっています。

厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は491万8,300円であることから、一般的な看護師の年収相場とあまり変わらないことがわかります。

もちろん企業や経験年数などによって金額は異なるので、詳細は実際に求人をチェックしてみてください。

▼参考資料はコチラ
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」
▼求人情報はコチラ
企業の看護師求人

産業看護師になるには?必要な資格や能力

では、産業看護師として働く為には何が必要となるのでしょうか。

まず、産業看護師として働くために必要な資格は看護師資格以外には特にありません。しかし、先述の通り産業看護師は企業の中で他の従業員とともに働く職業であるため、基本的なビジネスマナーやコミュニケーションスキル、PCスキルなど幅広いスキルセットが求められます。

その他にも、従業員との面談や健康診断に関連する業務を推進するうえでのスケジュール管理力や、健康診断などの結果をもとに従業員に健康指導を行う指導力なども必要です。

産業看護師のスキルアップに役立つ資格

ここでは、産業看護師のスキルアップに役立つ資格を3つ紹介します。

●産業カウンセラー:メンタルヘルスやキャリア形成、職場環境の改善のサポートをする資格
●労働衛生コンサルタント:労働者の安全衛生水準の向上のため、事業場の診断・指導を行う国家資格
●禁煙支援士:専門的な知識を用いて、禁煙希望者の禁煙をサポートする資格

これらの資格とご自身の看護師経験を組み合わせることで、より市場価値の高い産業看護師を目指すことができるでしょう。

まとめ

産業看護師は企業看護師とも呼ばれ、一般企業の健康管理室や医務室に勤務します。
働く社員の健康管理や健康診断に関わる作業、そしてメンタルヘルスケアなどが主な業務です。

医療機関勤務と比べて生活リズムが整いやすく、また体力的・精神的な負担が少ないのは大きなメリットです。

求人は決して多くないため、看護師専門の転職サイトに登録するのがおすすめです。

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