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准看護師とは?看護師との違いやできること・できないことを解説

記事掲載日:2020/11/04

准看護師とは?看護師との違いやできること・できないことを解説

医師と看護師と連携しながら、看護師を補助する役割として活躍する准看護師。看護師と准看護師の業務内容には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

今回は准看護師と看護師のできることの違いや准看護師になる方法、そして准看護師の資格を取得するメリットなどについて解説します。

准看護師とはどんな仕事?

准看護師は各都道府県知事の免許を得て、医師や看護師の指示を受けて仕事をする職種です。働く場所はさまざまで、最も多い勤務先は病院や診療所などの医療機関ですが、そのほかにも介護施設や居宅介護サービス事業所など多岐にわたっているのが特徴です。

准看護師と看護師の違い!准看護師にできること・できないこと

准看護師と看護師はどちらも看護業務を行う職種ですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
全部で2つの違いを見ていきましょう。

1.資格の発行元が異なる

1つ目は、資格の発行元の違いです。

看護師資格が厚生労働大臣が発行する国家資格であるのに対し、一方の准看護師資格は都道府県知事が認定する免許であり、国家資格ではありません。

准看護師資格は各都道府県が主催する試験に合格することで取得できますが、資格を取得した都道府県以外でも働くことは可能です。

2.業務の進め方が異なる

准看護師の仕事内容は、看護師とほとんど同じです。主な業務としては、患者さまの血圧測定や体温測定、点滴や注射の処置、採血、そのほか食事や排泄、入浴介助などを行います。

看護師と大きく異なる点は、業務の進め方です。看護師は自らの判断で看護業務を行えますが、准看護師は必ず医師や看護師の指示を受けて業務を行う必要があり、主体的に業務を推進できないのです。

つまり、業務範囲や仕事内容は看護師と一緒でも、業務を進めるうえでの権限が異なると言えるでしょう。

准看護師になる方法! 資格取得の条件や合格率

准看護師になるためには、受験資格を得て准看護師試験に合格する必要があります。
ここでは、受験資格を得るまでの道のりや試験の合格率について解説します。

准看護師試験の受験資格を得る方法

最終学歴が中学校卒業の場合、准看護師養成所や高等学校の衛生看護科、または専門学校を卒業することで受験資格を取得できます。高等学校卒業者の場合は、養成所または専門学校の卒業が必要です。

准看護師養成所の期間は2年間であり、中学校卒業者であれば入学試験に合格することで誰でも通えます。全日制のほかに半日制や夜間制もあるので、社会人でも通いやすいでしょう。

高等学校の衛生看護科は、通常の高校で資格取得を目指すコースです。期間は3年間で、中学校卒業者であれば入学試験を受けられます。

専門学校の期間は2年間で、入学資格は准看護師養成所や高等学校の衛生看護科と同じです。

准看護師試験の合格率

准看護師試験の合格率は令和3年度は98%となっており、過去5年間でも96〜99%で推移するなど、非常に高い水準となっています。

したがって、准看護師の資格取得は、試験の受験資格を得ることができればそこまで難易度が高くないとわかります。

▼参考資料はコチラ
厚生労働省「『令和3年度准看護師試験の実施状況について』の訂正について」

准看護師になるメリット2選

では、次に准看護師になるメリットを2つ見ていきましょう。

1.資格がとりやすく、費用も安い

1つ目のメリットは看護師と比べて資格がとりやすく、また費用も安いことです。

看護師資格は専門学校や大学などに3年以上通わなければいけないうえに、入学要件は高校卒業以上です。

対して准看護師は、准看護師養成所であれば2年間で取得できます。中学校卒業後すぐに入れるので、期間も短く済みます。また半日制や夜間制の養成所もあるため、働きながら通えるのも魅力です。 

資格取得までの期間が短いということは、その分の費用も安く済むということです。経済的に看護師の資格取得が難しい方でも、准看護師であればチャレンジできるかもしれません。

2.就職・転職に困らない

看護師と同様に、就職や転職に困らないのも准看護師資格取得のメリットです。小規模病院やクリニックなどを中心に、看護職の需要はまだまだ大きいため、仕事探しで困る心配はいらないでしょう。

准看護師を目指す際の注意点! 給料や求人数に注意

先にご紹介した通り、さまざまなメリットがある准看護師ですが、いくつか知っておきたい注意点やデメリットがあるのも事実です。

看護師より給料が低い傾向にある

一点目は、看護師よりも給料が低めに設定されている場合が多いことです。年収換算では、60万円~100万円近くの差が生じることも少なくありません。

看護師より求人数が少ない

看護師に比べて、准看護師は求人数が少なめになっている点も注意しましょう。

近年は准看護師資格を廃止する動きがあります。この動きに伴って求人数は年々減少し、反対に看護師の求人数が増えているのです。

とは言え、小規模病院やクリニック、介護施設ではまだまだ准看護師の需要はあります。

准看護師資格は廃止される?

近年は、看護師の専門性と地位向上の観点から、准看護師資格を廃止して、看護師に1本化させる動きがあります。

元々「准看護婦教育制度」としてスタートした准看護師制度は、戦後の結核の蔓延によって生じた看護婦不足に対する「当面の間の措置」という位置付けでした。

その後、1996年には「准看護婦問題調査検討会報告書」にて「21世紀の初頭の早い段階をめどに看護婦養成制度の統合に努める」と提言されましたが、未だ実現に至っていないのが実情です。

とくに、昨今医療現場をめぐる環境は日々目まぐるしい変化を遂げています。多様化・煩雑化する医療ニーズに答えるには、准看護師の養成は教育内容・時間ともに不足しているのです。

ただし、もし准看護師資格が廃止され、看護師養成が一本化したとしても、すでに准看護師資格を持っている方の場合は資格がはく奪されるようなことはないと言えるでしょう。あくまでも新規養成をストップするということですので、これから准看護師資格の受験を検討している方は認識しておきましょう。

▼参考資料はこちら
日本看護協会「准看護師制度の課題解決に向けた取組み

准看護師から看護師になることは可能?

准看護師から看護師にステップアップする人はたくさんいます。2年制の看護師専門学校または養成所を卒業し、看護師国家試験に合格することで看護師資格の取得が可能です。

2年制の看護師専門学校には、全日制、定時制(昼間・夜間)、通信制の3種類があります。全日制と定時制の看護師養成所に関しては、准看護師の資格があれば受験可能です。

ただし、中卒で准看護師資格を取得した方が看護師専門学校へ入学するためには、准看護師として3年以上の実務経験が必要となるため注意しましょう。

まとめ

准看護師は都道府県知事発行の免許を得て働く看護の職種です。仕事内容は看護師と変わりませんが、医師や看護師の指示を受けて業務を行う点に違いがあります。

中学校卒業後すぐに養成所へ入学できることや、短期間で資格を取得できること、そして費用も安く済むうえに仕事探しで困らないことは大きなメリットです。 

准看護師に興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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