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看護師の転職事情│職場を変えた矢先...でも辞めたいと感じたら?

記事掲載日:2021/12/06

看護師の転職事情│職場を変えた矢先...でも辞めたいと感じたら?

「転職してから間もないが、他の職場に移りたい気持ちが...」。業界や職種を問わず、このような気持ちを抱える人は少なくありません。「もっと良い職場があるのではないか」、「転職から半年、もう退職しても大丈夫なのか」など転職に関する不満や悩みは尽きないものです。

そこでこの記事では、職場を変えてから間もない看護師を対象に、転職事情について赤裸々に解説。職場に関する看護師の悩みや、転職のメリットやデメリット、またタイミングなどについて詳しく説明していきます。

看護師ならではの悩みについて

悩む看護師

さまざまな人間が集まる職場、また患者さまを扱う職場では、悩みが非常につきものです。実際、医療業界(看護師)にはどのような悩みが溢れているのか、顕著な事例を紹介していきましょう。

人間関係のトラブル

医療業界に多い悩みの一つが人間関係です。特に、転職を考える方の悩みの多くが、人間関係のトラブルに起因していると言われます。昨今は、医療現場に占める男性看護師の割合が徐々に高くなってきましたが、まだまだ女性が多いのが実情。女性看護師にとって同性が多い職場では人間関係がセンシティブになる傾向もみられ、そこでの折り合いに関して、精神的且つ肉体的に疲れてしまう看護師は少なくありません。

また人間関係の悩みが多いのは、異性が多い職場でも同様です。男性にとっては、異性間コミュニケーションが中心の職場環境になるため、同性同士ならではの会話が少なくなります。さらに、人間関係が悪いコミュニティーの中で働くことにストレスを感じてしまう。このような、多くの悩みや相談が寄せられています。

夜勤や、突然の残業

人間関係に続いて多い悩みが、夜勤や突然発生する残業です。特に、急性期病院など入院患者さまが多い医療現場では、容体が急変する患者さまへの対応が発生するため、残業はつきもの。たとえこうした職場環境について理解していたとしても、残業発生による約束のキャンセルは辛いものがあります。

加えて、夜勤が多い現場で働く看護師からは、不規則な生活リズムによる肌荒れやむくみ、体調不良の悩みも数多く寄せられます。特に子育てをしている看護師の場合、夜勤明けに仮眠を取れないケースも少なくありません。

命を扱うというプレッシャー

患者さまの命を預かることを覚悟して、看護師は皆、医療の現場に飛び込みます。しかし、その緊張感は想像以上のもの。ベテランの看護師であっても、常にプレッシャーと隣り合わせで看護にあたっています。

また、医療マニュアルに則ってさまざまな施術を行う看護師ですが、人や身体を扱う以上、予期せぬトラブルに見舞われます。施術やコミュニケーションに対する患者さま一人一人の反応は異なるため、さまざまなプレッシャーがのしかかります。

実際は多い看護職員の転職回数

看護職員は転職が多い職業と言われています。厚生労働省が行った「看護職員就業状況等実態調査結果(下図)」によれば、転職を2回以上経験した看護職員の割合は、全体の約3割(29.1%)を占めています。看護師の生涯における転職回数の平均値は「2回」といわれています。

また、医療業界について伝えているさまざまなWebサイトでは、"看護師の転職平均回数は2回"とも言われており、複数回の転職を経験している看護師は決して少なくないことが分かります。

転職の回数 割合(回答人数)
0回 45.2%(7,861人)
1回 24.0%(4,173人)
2回 14.1%(2,453)
3回 7.9%(1,382人)
4回 3.7%(639人)
5回以上 3.4%(597人)
無回答 1.6%(278人)

(※「転職」と「再就職」は、同義のものとして捉え説明しています)

主な転職の理由について

厚労省の同調査によると、看護職員が転職(再就職)先を選んだ主な理由は、「通勤が便利だから」が最も多く56.5%、次いで「勤務時間が希望にあっているから」が51.0%、「短時間勤務ができるから」が20.4%、また人間関係を理由に転職先を選んだ看護職員は11.2%との調査結果が出ています。

▼参考資料はこちら
厚生労働省、看護職員就業状況等実態調査結果

看護師の転職難易度は高い?低い?

患者さまとコミュニケーションを取る看護師

看護師免許を取得していれば、たとえ職場を離れたり職場が変わったりしたとしても、知識やスキルを変わらず評価してもらうことができます。さらに、看護師免許は国家資格でもあるため、(取得者が)一定のスキルを有することの強い証明に。また、看護師免許の保有者に許可される業務や業務内容も多く、就職に有利な資格の一つとも言われています。

そのため、看護師の転職活動(同職種での再就職)では、"内定のハードルが比較的低い"と言われています。しかし実態は、特に人気の集中する日勤のクリニック等はハードルが非常に高く、複数選考を受けてやっと1つ内定が出る、といった厳しい現状です。履歴書や職務経歴書の作成、面接対策を万全にして選考に臨むことが、看護師転職市場では特に重要となります。

現在、看護職員の数が国内で不足しており、2019年に厚生労働省(看護職員需給分科会)は、

『団塊世代が後期高齢者となる2025年に、看護職員(看護師、准看護師、保健師、助産師)が6~27万人が不足する』
との試算を発表。また、コロナ禍では医療施設や医療従事者の不足問題も度々取り上げられ、国はこれらの拡充対策に取り組む方針です。

転職活動の難易度は求職者の経験、スキル、希望の勤め先などによって異なりますが、看護師の需要は今後も大きく、活躍し続けることのできる職業です。

▼参考資料はこちら
医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ(概要版)

転職に関する注意点

看護師資格を持ってさえすれば、希望の医療機関へすぐに転職できる訳ではありません。看護師の転職活動では、資格の有無はもちろんのこと、スキルや経験、診療科目、現在の職場の規模、そして人柄などが選考の判断材料になります。たとえ職場を変えようと考えたとしても、これらに対する求職者と採用者の条件が一致しなければ、すぐに転職先は決まらないでしょう。

特に40代以上の看護師の場合、未経験の診療科目での転職や、医療技術の変化が著しい急性期病院への転職は、非常に難易度が高くなる傾向があります。体力や、新たな知識を吸収したり柔軟に対応したりできる能力が求められるため、転職はできたものの活躍できないといった悩みも多数報告されているようです。

それでも転職に迷ったら

医師とコミュニケーションを取る看護師

それでも尚、転職すべきか否か迷った場合、どのような行動を取ればよいのでしょうか。少しでも転職が頭によぎった人は、まず以下の内容を実践してみましょう。

転職への気持ち・理由を分析する

まず、自分が何故転職したいと考えるのか、気持ちや理由を書き出していきましょう。またこれに加え、転職(退職)によるメリット・デメリットや、理想の条件(給与や職場環境など)を整理。それぞれを天秤にかけていきます。この際のポイントは、"転職"をなるべく俯瞰的に捉えること。客観的に転職を見つめ直すことは、冷静な判断をする上でとても大切になります。

転職を経験している看護師の声に耳を傾ける

複数回転職を経験している看護師に意見を仰ぎましょう。現在の職場に頼れる同僚がいればその方に。もしいなければ、転職サイトを活用し転職に関するさまざまな情報を集めて下さい。(他者が)転職を決意した理由や、転職して良かったこと、また転職して後悔したことなど、多角的な視点で情報収集するのがおすすめです。転職に対するイメージもより深まり、行動判断の参考になるかもしれません。

実際に転職活動を始める

転職するか否かの判断は、内定が出て初めてできることです。転職先が決まらなければ、そもそも転職の判断はできません。したがって、転職に迷っている看護師にとって、転職活動の開始が先決となります。

転職判断はサービス活用の登録から

転職に関する理解は深まりましたでしょうか。「転職したが思っていた職場環境と違った」、「勤続年数が短いが転職しても大丈夫なのか?」。仕事を巡る悩みは、考え出すと切りがありません。まずは看護師転職の実情や、メリットやデメリットなどを整理し、実際に転職活動を始め、その上で職場を変えるか否か判断するのが良いでしょう。

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