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看護師の人間関係はどうすれば改善する?悪化する原因や解決策を解説

記事掲載日:2020/08/28

看護師の人間関係はどうすれば改善する?悪化する原因や解決策を解説

看護師の退職理由の多くを占める、人間関係。この記事では、看護師の人間関係が大変と言われる理由から、人間関係が悪化してしまう原因や人間関係を改善する方法、人間関係が良好な職場を見分けるポイントまで詳しく解説します。

看護師にとって人間関係が重要な理由

人間関係に悩む看護師が多いということは、看護師の仕事において人間関係が重視されているということでもあります。ここでは、看護師にとって人間関係が重要である理由を説明します。

看護師の仕事は1人ではこなせない

看護師の仕事は、自分1人では成り立ちません。例えば、患者さまの急変時の対応や、体位交換などの重労働、薬や点滴のダブルチェックなど、複数人で連携して看護に臨む場面が多々あります。

また、医療の現場では看護師以外のさまざまな職種との連携も求められます。医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士などと連携しながら患者さまのケアを行うため、他の職種の人とも上手くコミュニケーションを取ることが大切です。

迅速な情報共有が必要

看護師の仕事では、患者さまの状態などを迅速に伝達する必要があります。異変を感じた際に少しでも報告が遅れれば、重大な事態に陥ることもあり得ます。良好な人間関係が構築できていないと、コミュニケーションに消極的になってしまいがちです。

劣悪な人間関係が医療ミスにつながる

人間関係が悪化しストレスが溜まると、注意力が低下してしまいます。看護師の職場では少しの不注意が重大な医療ミスにつながりかねません。患者さまを守るためにも、看護師同士の人間関係は良好であった方が良いのです。

看護師の人間関係が悪化してしまう原因

次に、看護師の人間関係が悪化してしまう主な5つの原因について解説します。

患者さまの命に関わる仕事である

看護師が働く医療現場は、患者さまの命に関わる仕事が多く緊張感があります。仕事のミスは患者さまの命を危険にさらすことにつながる場合もあるため、新人看護師や仕事をしっかりこなせない看護師に対しては指導が厳しくなりがちです。

また、精神的プレッシャーが大きいため、心に余裕がなく、お互いにピリピリとした雰囲気を醸し出してしまうという場合もあります。

女性の多い職場である

厚生労働省の調査によると、全国の看護師就業数は9割以上が女性です。大学病院など規模が大きい病院では男性看護師も多く働いていますが、一般的には女性の多い職場であると言えるでしょう。女性特有の人間関係のもつれがトラブルにつながってしまうケースも多いようです。

▼参考資料はコチラ
厚生労働省「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」

人員不足で業務負担が大きい

医療現場は人員不足が常であり、看護師は毎日多忙なスケジュールをこなしています。1人で複数の患者さまを担当するため、分刻みのスケジュールで動いている人もいます。そのため、周りに気を配る精神的余裕が無いのも実情でしょう。

もしそっけない対応をされたとしても重く捉えすぎず、膨大な業務量を必死でこなしているという前提のもと、寛大な心で受け止めましょう。

シフト制でメンバーが流動的

看護師の勤務はシフト制のため、いつも同じメンバーで出勤する訳ではありません。前任者から業務を引き継ぐ形になるため、コミュニケーションエラーによる認識の相違や、前任者にミスがあった場合には目立ちやすく、その場にいないメンバーの陰口を言いやすい環境も、人間関係が悪化してしまう原因の1つと考えられます。

価値観の異なる人間が連携して仕事をおこなう必要がある

同じ職場で働く看護師であっても、看護師の年代、経験年数などによって価値観はそれぞれ異なります。「効率よく仕事をすすめたい人」「自分のペースで仕事をしたい人」「患者さまとじっくり向き合いたい人」「どんどん知識を身に着けてキャリアアップしたい人」など異なる価値観の看護師が集まる職場では、それぞれの価値観を理解することが難しく、ときには関係に溝ができてしまうこともあるのです。

看護師の人間関係に関する悩みを解決する4つの方法

では、看護師の人間関係に関する悩みはどのように解決すれば良いのでしょうか?ここでは、悩みを解決する4つの方法をご紹介します。

1. 信頼できる人に相談する

自分では解決できない場合や仕事に支障が出ている場合には、信頼できる上司や先輩に人間関係の悩みを相談してみましょう。ただし、なんとなく相談相手を選んでしまうと、「職場中に悩みが広まっていた」という状況になりかねません。相談する相手は、信頼できる人を選ぶことが重要です。

2. 改善の余地がないか考えてみる

上司や先輩にきつい態度を取られるという場合は、「相手がなぜそのような態度を取るのか」を一度考えてみましょう。冷静に振り返ってみると、自分の言動や行動が原因となっているということもあります。

次のような言動や行動は、人間関係を悪化させる原因になりかねないので注意しましょう。

  • ・遅刻が多い、時間にルーズ
  • ・言い訳が多い
  • ・同じことを何度も質問する
  • ・挨拶ができていない
  • ・身だしなみが看護師としてふさわしくない

上記以外でも、相手を不快にさせる言動や仕事へのやる気を感じさせない行動は、人間関係を悪化させる原因となります。自分の言動や行動を一度振り返って、改善の余地がないか考えてみましょう。

3. 他の部署に異動する

信頼できる人に相談しても、自分なりに言動を改善しても人間関係が良くならず、「仕事がしにくい」「働くのがつらい」と感じる場合には、部署異動を申し出てみましょう。同じ病院内であっても部署ごとに雰囲気や人間関係は異なるので、他の部署に移れば問題なく仕事ができる場合があります。

4. 他の病院に転職する

「部署異動ができない」「病院の体質自体が自分に合わない」と感じるのであれば、他の病院に転職することをおすすめします。現在の病院ではうまくいかなくても、他の病院では良い人間関係を築くことができるかもしれません。看護技術や知識の問題ではなく、環境が合わないだけであれば、環境を変えることで看護師として働きやすくなる可能性が高いです。無理に人間関係のこじれた職場で働き続けると、精神的に追い詰められて病気になってしまったり、最悪のケースとしては医療ミスを起こしてしまったりすることもあります。

看護師の人間関係が良好な職場を見分けるポイント

それでは、人間関係が良好な職場には、どのような特徴があるのでしょうか。今回は4つの視点でご紹介します。

1. 職場が整然としており雰囲気が明るい

ナースステーション内や備品がきちんと整理整頓されている場合は、そこで働く看護師たちに心の余裕があると考えて良いでしょう。また、見学に行く際は挨拶があるなど明るい雰囲気が感じられれば理想的です。

2. 教育体制が手厚く、整っている

多忙を極めていて余裕のない職場は、新人や後輩の教育体制に力を入れることができません。求人票や面接で教育体制や研修制度に関して確認し、新人やブランクがあっても安心して働ける職場かどうか見極めましょう。

3. 休暇の取得率が高く、残業時間が短い

人間関係が悪いと、休暇を取ることすら遠慮してしまうかもしれません。人間関係が良好な職場は、快く休暇を取得することができます。有給の消化率や、女性の場合は産休育休などの取得率もチェックしておきましょう。

また、残業時間に関しても同様で、残業時間が多い職場は残業をしなければ業務が終わらないほどの業務量や、上司が退勤しないことに遠慮をして定時に上がれないケースなどが考えられます。

4. 評価制度が整っている

日々の頑張りが正当に評価される評価制度が整っている職場は、不満も溜まりにくく人間関係が悪化しにくくなります。業務量や業務内容に沿った給与・待遇が用意されているかどうかチェックするようにしましょう。

まとめ

社会人として働くと人間関係で悩む人は多いですが、医療の現場で働く看護師は特に人間関係が大変になる傾向があります。人間関係で悩んだときには、信頼できる人に相談したり、自分の言動や行動を振り返ったりすることも重要ですが、環境が変われば良好な人間関係の中で働くこともできるのです。無理をし過ぎると心身の健康を崩して長期間働けなくなるということもあります。今の職場でつらい思いをしているのであれば、あまり無理はせずに、部署異動を申し出たり、転職をしたりするなどして自分の健康を守りましょう。

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