精神科看護師の仕事内容とは?給料や向いている人の特徴を解説
記事掲載日:2020/08/27
精神科で働く看護師について知りたいあなた。精神科は他の診療科と比べて特殊な側面も多く、向き不向きが分かれる分野です。この記事では、精神科勤務の特徴や看護師に求められる役割、具体的な業務内容やメリット・デメリットを紹介します。精神科での看護に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
- 精神科での看護師の仕事内容
- 精神科看護師の平均給料はどのくらい?
- 精神科看護師になるメリットとデメリット
- 精神科看護師になるには?必要な資格はある?
- 精神科看護師に向き不向きはある?向いている人の特徴
- まとめ
精神科での看護師の仕事内容
精神科看護師の勤務場所、役割と仕事内容、精神科と心療内科の違いについてご説明します。
精神科看護師の勤務場所
精神科のある施設は様々で、クリニック、総合病院、精神病院があります。クリニックは入院施設がなく症状が軽い患者さまが通院しているのが特徴です。総合病院の精神科では入院施設があり症状によって急性期病棟と慢性期病棟に分かれます。
精神病院は精神科にかかる患者さま専門の病院で僻地に建てられることもあり、精神病院の入院設備も総合病院と同じく急性期病棟と慢性期病棟に分かれます。
精神科での看護師の役割と仕事内容
精神科での看護師の役割は医師の医療措置サポートがメインとなります。具体的な仕事内容は、バイタル測定、セルフケア介助、診察介助、薬の管理や与薬、採血、暴力や暴言への対応、カルテ記入などがあります。
精神科と心療内科の違い
精神科は、うつ病、不眠障害、統合失調症などの疾患が対象です。幻聴、幻覚、妄想なども精神科で診察します。精神科があるのは総合病院や精神病院がほとんどなので入院施設があり、病棟勤務になれば夜勤があります。
これに対し心療内科は、精神的な原因によって、胃腸障害、頭痛、気管支喘息など身体にあらわれる症状を診療する点が精神科との違いです。心療内科はクリニックが多いので日勤のみで夜勤がありません。緊急性のある患者さま治療がないため、落ち着いた環境で勤務することができます。
精神科看護師の平均給料はどのくらい?
精神科看護師の給料は、ほかの診療科の看護師とあまり差はありません。
厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、看護師の平均月給は33万8,400円、賞与が85万7,500円であり、平均年収は491万8,300円でした。実際にナースステップで公開中の求人でも、年収400〜500万円程度の給与での求人が多くなっています。
ただし、精神科の看護師は緊急のオペや急患があまりなく残業が少ないのが特徴です。職場にもよりますが、残業による時間外手当が多くつく看護師よりも給料が少なくなる可能性があります。
なお、精神看護専門看護師をはじめとした有用な資格を有している場合、資格手当を設けている職場もあります。給料アップのために、資格にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
▼参考資料はコチラ
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
▼求人情報はコチラ
精神科の看護師求人
精神科看護師になるメリットとデメリット
精神科で勤務する看護師のメリットとデメリットはどのようなものでしょうか?
メリット
まずは精神科で働くメリットを見ていきましょう。
・ブランクがあっても働きやすい
精神科での仕事は医療行為が少なく、バイタル測定、セルフケア介助、診察介助、薬の管理や与薬がメインとなります。そのため、看護技術に不安があっても基本的な看護知識があれば、しばらく看護の仕事から離れていた看護師でも問題なく働くことができる職場です。
・残業が少ない
クリニックや総合病院の精神科(外来)は予約制で診察する場合がほとんどです。診療時間内に診察する人数は決まっており、どんどん患者さまが来て診療時間が延びるということはありません。そのため、患者さま1人1人の診療時間が伸びて多少の残業が発生することはあっても、大幅な残業は発生しないのが特徴です。ただ、総合病院や精神病院の病棟勤務では夜勤が発生するため、夜勤を避けたい場合にはクリニック勤務がおすすめです。
デメリット
続いて、精神科で働くデメリットを紹介します。
・体力が必要
精神科では患者さまが幻聴や幻覚でパニックを起こしたり、症状が悪化することで暴力をふるってしまったりすることがあります。そういった場合には複数の職員で法律に従って拘束、隔離する必要があるので、看護師にもある程度の体力が求められます。
また、病状が悪化している患者さまや高齢の患者さまは自分で動くことができないことも多く、介護要素の強い仕事も多くなるので体力がない人には辛い仕事になる可能性が高いといえます。
・精神的な疲労を感じやすい
精神科の患者さまは自分のことをうまく伝えられなかったり、自分だけの世界観を持っているのでスムーズにコミュニケーションを取ることが難しかったりするケースが多くなります。病状によっては暴言を吐くケースもあるため、「病気による暴言をそのまま受け止めてしまう人」、「コミュニケーションをうまくとれないことを気にしすぎてしまう人」には精神的な負担が大きくなってしまうかもしれません。
精神科看護師になるには?必要な資格はある?
精神科の看護師になるために必要な資格は、看護師資格の他には特にありません。ただし、より専門性の高い「精神看護専門看護師」という資格を取得することで、精神科への就職・転職を有利に進めることができます。
専門看護師やその他スキルアップに役立つ資格について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
▼参考資料はコチラ
日本看護協会「専門看護師」
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看護師がスキルアップする方法は?キャリアに役立つ資格も紹介
精神科看護師に向き不向きはある?向いている人の特徴
精神科で大切になるのは、患者さまとのコミュニケーションです。精神科の看護師は、患者さまに寄り添ってコミュニケーションを取ることにやりがいを感じる人におすすめです。また、基本的に医療行為が少ないため、医療行為が苦手な人にもおすすめです。
精神科看護師に向いている人の特徴として、コミュニケーション能力、体力、忍耐力と精神力などの高さが挙げられます。
精神科の患者さまは検査ではっきりとした病状が分かるわけではないため、患者さまとのコミュニケーションや行動から病気の状態を確認しなくてはなりません。そのため、根気強くコミュニケーションを取れること、些細な言動から病状を把握する能力が必要になります。
また、精神的に不安定な患者さまや幻聴が聴こえる患者さまが暴力をふるってしまうこともあり、法律に基づいて身体を拘束したり隔離したりするケースがあるので、体力も必要になります。症状によっては暴言をはく患者さまもいるので、病気の患者さまの暴言に振り回されない強い精神力も重要です。
まとめ
精神科看護師の概要や役割、仕事内容、求められるスキルをご説明しました。
精神科では他の診療科と求められるスキルが異なります。今回ご紹介した求められるスキルやメリット・デメリットを確認し、精神科の仕事が自分に合っていそうかどうか判断する参考にしてみてください。
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