救急看護師とは?仕事内容や気になる給料もご紹介
記事掲載日:2020/08/26
医療機関で働く看護師は、実にさまざまな診療科で活躍をしています。その中でも、ドキュメンタリー番組やドラマでたびたび取り上げられるのが、救急看護師です。
救急看護師に興味がある人、実際に目指そうと心に決めている人にとって気になるのが仕事内容や給料事情ではないでしょうか。事前に実情を理解しておくことで、就職後のミスマッチを防げるようになります。
今回は救急看護師の仕事内容やメリット、そして気になる給料などについて紹介します。
救急看護師とは
救急看護師とは、救急患者を対象に看護活動を行う看護師のことを指します。ケガや疾患などの突発的で救急処置が必要な患者に対して、初療対応を行うのが主な仕事です。疾患や臓器、診療科を問わない対応が求められるオールマイティな看護師といえるでしょう。
主な勤務先は救急外来や救命救急センターといった、24時間365日患者を受け入れている救急医療施設です。また、ドクターヘリに同乗したり、災害現場に派遣されたりする看護師もいます。
救急看護師に必要な資格は?
救急看護師に必要な資格は、看護師資格以外にありません。
日本看護協会では特定分野ごとに高いスキルを有していると証明される、認定看護師制度を設けています。「救急看護認定看護師」の資格を取得することで、救急看護に関する高い知識と技術を持ったスペシャリストとして活躍できるでしょう。
なお、試験を受けるためには実務研修を通算5年以上(うち3年以上は救急看護分野)、さらに専門の教育機関において所定のカリキュラムを受けることが必要です。
救急看護師の主な仕事内容
続いては、主な仕事内容をチェックしていきましょう。
救急処置や処置介助
大きなケガを負った人や呼吸が止まってしまった人などに対して、初期の救急処置を行います。患者の重症度・緊急性に合わせて、適切で迅速な対応をしなければいけません。また、ドクターの診療・処置行為の介助業務も、救急看護師の大切な仕事です。
患者の日常ケア
とくに入院が必要となった患者に対して、日常ケアも行います。清潔保持や体位交換、排泄介助、緩和ケアなどです。
患者家族の精神的なケア
救急に搬送されてくる患者の中には、命に関わる大きなケガや疾患を抱えていることも多いです。患者の家族は大きな不安に悩まされていることでしょう。家族の不安を少しでも取り除けるように、精神的なケアも救急看護師に求められる仕事の一つです。
救急看護師として働くメリット
さまざまな診療科がある中で、救急看護師として働くことのメリットはどこにあるのでしょうか。主なものを3つ見ていきましょう。
基本的な看護技術が向上する
まずは基本的な看護技術が向上することです。処置が中心となる救急では点滴や注射、医療機器の使用、そのほかにも基本的な看護技術が日常的に求められます。日常業務をこなしているうちに、基本的な看護技術はどんどん上がっていくことでしょう。
さまざまな診療科の知識を深められる
さまざまな診療科の知識を深められるのも大きなメリットです。診療科を問わない初期診療を行うため、皮膚科や整形外科、脳神経外科など多くの診療科の知識や看護技術を身につけられます。
キャリアアップにつながる
最後はキャリアアップにつながることです。すべての診療科における主任看護師には、他のスタッフをまとめるリーダーシップや判断力、行動力などが求められます。
救急では冷静で的確な判断力、行動力、そして看護に関する幅広い知識とスキルが必要です。救急看護師として培われた各能力は、主任看護師を始めとするキャリアアップにつながることでしょう。
救急看護師として働く際の注意点
得られるメリットも多い救急看護師ですが、働く際に注意しておくべきことがあります。
体力的にハード
たくさんある診療科の中でも、とくに救急は体力的にハードです。患者のストレッチャーを押す、診療のために服を脱がせる、体位を交換する、各種の処置を行うなど、ホッと息をつく間もないことも多いです。患者数によって忙しさは変わるものの、体力に自信のある人が向いているといえるでしょう。
精神的な負担が大きい
前述したように、救急に来る患者の中には、命に関わる状態にある人も多いです。医療ミスが許されない緊張した時間が続くため、ストレスが多く精神的な負担が大きいことは覚悟しておきましょう。
救急看護師になる方法
救急看護師になるためには、看護師国家試験を受験して合格する必要があります。そのため、まずは大学や短期大学の看護学科や、看護専門学校を卒業しましょう。
資格取得後はダイレクトに救急医療施設に就職するケースもあれば、他の診療科で経験を積み、救急看護師として活躍する人もいます。
救急看護師の給料はいくら?
最後に気になる給料事情を見ていきましょう。
救急看護師の求人を調査したところ、月給は約24万円~45万円、年収換算で約400万円~620万円が相場でした。勤務先や経験年数によって金額が変わります。また地方ではもう少し金額が安くなる可能性もあります。
まとめ
救急患者に対する初期診療を行うのが救急看護師の主な仕事です。体力的・精神的にハードな仕事内容ですが、看護技術の向上や他の診療科の知識が身につくなどのメリットもたくさんあります。
また、給料は地域や経験年数、勤務先によって異なるので、それぞれの詳細は「ナースステップ」を参考にしてみてください。